TC ELECTRONIC/Spark Boosterアナログブースターのレビューと使い方

TC ELECTRONIC/Spark Boosterアナログブースターのレビューと使い方

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Spark Boosterとは?

クリーン・ブースターとしてもゲイン・ブースターとしても優秀な「TC ELECTRONIC Spark Booster」です。

オーバードライブなどでゲイン・プッシュのブースターは代用されている人も多いですが、そのエフェクターの持つ音のクセも一緒に押し出されてしまいます。歪みや音量の底上げに成功はしても、必ず良い結果がでるわけではないのです。

ブースターに求められる要素として
▪ 少しのコンプ感。
▪ トーン・コントロールができたら嬉しい。
▪ 原音にはあまり干渉して欲しくない。
などがあります。

「TC ELECTRONIC Spark Booster」は、その条件を満たしギターの原音を損なわず「粘りあるサウンド」にしてくれます。TCお馴染み安心の「トゥルーバイパス仕様」ですのでスルー音の変化はありません。

この記事ではそんなTC ELECTRONIC/Spark Boosterアナログブースターのレビューと使い方を説明していきます。

目次

Spark Mini Boosterとは?

TC ELECTRONICの人気エフェクターには、必要最低限機能の「Mini」サイズのエフェクターが存在します。Spark Boosterのミニサイズが「Spark Mini Booster」となります。

コントロール・ノブひとつの音作りは固定でブーストするだけのシンプル機能です。ブースト・レベルも「26dB」から「20dB」に下げられていますが、そんなに違いは感じませんので、これは問題ないと思います。最大の特徴は、フット・スイッチ長押しで「モーメンタリー・モード」に切り替わり、踏んでいる間だけ”オン“離すと”オフ“となります。短いフレーズだけのブーストなど使い方の幅が広がります。

ブースターに望むことが「シンプルにゲイン・アップだけをしたい」「モーメンタリー機能でフレーズごとこまめに使いたい」ぐらいならMiniでよさそうですね。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterのスペック

商品名Spark Booster
メーカーTC ELECTRONIC
概要ブースター
歪みレベル
弱い
強い
操作
簡単
難しい
音質設定
ザックリ
繊細
汎用性
じゃじゃ馬
何でも
コスパ
低い
高い
おすすめ度
微妙
おすすめ
  • コスパ高し。
  • シンプル設計の割には作りこめる
  • トゥルーバイパス
  • 結構歪む
  • クリーン・トーンをきらびやかにしたい。
  • 初めてクリーン・ブースターに
  • エフェクターの「音痩せ対策」を考えている。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterのレビュー

特徴1 コントロール部

■ LEVEL
全体の音量調整ができます。
■ GAIN
歪みの量を調整できます。
■ TREBLE
高域の量の調整ができます。
■ BASS
低域の量の調整ができます。

3つのブースト・モードが切り替えられるミニ・スイッチが付いています。
▪ FAT
低域がブーストされるモードです。
▪ CLEAN
クリーン・ブースト・モードです。
▪ MID
ギター・ソロ向きの中域が抜けてブーストされるモードです。

特徴2 各モードの特徴

3つのモードを切り替えるとキャラが変わります。
▪ FAT
太くなりオーバードライブぐらいの歪みはでます。
EQで作りこむとシングルコイル搭載のギターに合うサウンドが作りこめます。
例:BASSを9時あたり、TREBLEを4時あたり。
▪ CLEAN
本当にクリーン専用です。
▪ MID
ちょっと「チューブ・スクリーマー」っぽい音がでます。結構歪みます。

ゲインを絞り気味でスイッチを切り替えますと、EQのような作用もありますので試してみてください。

特徴3 併用するエフェクターを選ばない

原音を損なわずにブーストしてくれるのが特徴のSpark Boosterですが、前段後段に来る歪みエフェクターを選ばずにプッシュしてくれます。メインの歪みエフェクターはギタリストにとって名刺みたいなものですから、それに合うブースターの相性は最重要課題となります。ふり幅も広く素直なSpark Boosterは、すべてのギタリストの期待に応えてくれそうです。

特徴4 必要に応じて変化する機能

使うギタリストの求める音へと状況に応じて変化してくれます。
考えられる使用例ですが
▪ 【クリーン・ブースター】一番最後に繋ぎ「全体的な音のまとめ」として使う。
▪ 【プリアンプ】一番最初に繋ぎ「ゲインも少し足して」使う。
▪ 【ゲイン・ブースター】他の歪みエフェクターをプッシュする使い方。
▪ 【オーバードライブ】普通に単体のオーバードライブとして使う。
少し考えてただけで4項目思いつきました。ですが、秘めているポテンシャルはこれだけではなさそうです。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterのデメリット

デメリット1 真空管アンプとのコンビネーション

原音を忠実にブーストする利点が裏目に出てしまうのか、クランチ・セッティングの真空管アンプをプッシュすると「チューブ・スクリーマー」や「BOSS SD-1」などと比べますと「硬い音」になってしまいます。また、「ROLAND JC-120」を真空管アンプのようにする”シュミレート“もできません。

最後に繋いで「音を整える」クリーン・ブースターとして使うか、他の歪みエフェクターをプッシュするゲイン・ブースターとして使うのが実力発揮できるようです。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterの使い方

使い方1 逆に歪みを切る

強めに歪んでいるアンプセッティングですとギター側のボリュームを絞っても、素早く思うようなクリーン・トーンが得られずに”あたふた“してしまいます。

そんな時に使えるSpark Boosterのセッティングです。
▪ CLEANモードを選択。
▪ GAINはゼロ
▪ LEVELは11時あたり
▪ EQは使っているギターに合わせて微調整。

これでオンにすると歪みがおさまり、音量も少し下がりクリーン・トーンになります。
つまり、歪みエフェクターで歪みを消してしまうのです。

使い方2 薄っすら歪むパライコと考える

Spark Boosterの用途は幅広いのですが、名前がブースターですしゲインも付いていますので「歪ませなきゃ」と先入観に縛られてしまいます。そんな時、一番最初につなぎ「パラメトリック・イコライザー」と考え使うと音作りがスムーズにいきます。3つのブースト・モードもゲインを低めに設定しておけばトーンの切り替えとして機能します。まず、欲しい帯域を選択して、よく効くEQで微調整すれば決めやすいです。あとはお好みの歪みを足して完了です。

Spark Boosterと似ている機材と比較

Xotic EP Boosterとの比較

初期型の真空管アンプはゲイン・チャンネルもなく”歪みを稼ぐ“にはボリューム上げるしかありませんでした。。歪み系のエフェクターとして”ファズ“の存在はありましたが、エフェクター自体の個性が強く「どんなジャンルにも合うサウンド」ではなかったのです。自然なゲインを探してギタリスト達が発見したのは「エコープレックス」についているブーストのツマミでした。エコープレックスはテープエコーの名機ですが、出力する時に操作できる「アウトプットレベル」を上げると、真空管アンプがほどよくドライブしてくれるのです。60年代後半から70年代中盤ぐらいまでの「ロック・バンド」のライブ映像でアンプの上に「エコープレックス」がよく置かれているのが確認できます。

その「エコープレックス」のブースター部分のみを抜き取って再現したのが「Xotic EP Booster」だと言われています。もちろん本物の「エコープレックス」を使ったことはありませんので比較はできませんが、ビンテージ・ライクなサウンドは程度の良い真空管アンプの歪みのようで心地よいです。

シンプルなワンノブ設計で、迷わずに操作できると思います。裏ぶたを開けると小さな”スライド・スイッチ“がついていて「高域寄りをブースト」か「低域寄りをブースト」を選択できます。一番最初に置いてレベル・ゼロで「クリーン・ブースター」として使うか、一番最後に置いて他のエフェクターの「音のまとめ」に使うかが一般的です。

サウンドの方は癖があり、一聴して「EP Boosterの音」だと分かります。「少しこもる」が一番分かりやすい表現ではありますが悪い意味ではなく、デジタル・エフェクターを多用している場合などに「全体的に漂うデジタル臭さ」などを緩和して温かみのあるサウンドにしてくれます。

EP Boosterの癖のあるサウンドが好きなならば、一度使ったら離れられないブースターだと思います。音質は変えずにトーンも少し触りたい人はSpark Boosterを選択すればよいと思います。

MXR MICRO AMPとの比較

クリーン・ブースターという名称は割と最近になって使われ出したのではないでしょうか。少なくとも「MXR MICRO AMP」が発売された頃はなかったはずです。このエフェクターの持っている機能が、クリーン・ブースターと呼ぶにふさわしく作られた言葉じゃないかと思えます。機能は見た目通り「ゲインを調整する」だけのエフェクターで音圧を上げてくれます。

音のイメージとしてはSpark mini Boosterに似ています。ゲイン・レベルがMICRO AMPの方が高いですが、あまり気にするほどの差はないです。たったひとつのツマミを上げていきますと、Spark Boosterは素直にそのままに、MICRO AMPは少し高域が上がるような印象です。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterを実際に使った感想

TCは空間系のエフェクターが優秀で「歪み系は使えない」のイメージでしたが完全に覆しました。Spark Boosterは本格的な歪みを作るエフェクターではありませんが、ジャンルによってはこれ一台で済んでしまいそうです。常にオンでエフェクター・ボードの先頭に置けば、”バッファ“と”クリーン・ブースター“を兼用してくれますのでありがたいですね。この使い方ですとノイズも全然気になりませんし、一番実力を発揮してくれるように思います。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterはこんな人におすすめ

用途に応じて姿を変えてくれる便利なブースター「TC ELECTRONIC Spark Booster」は初めて手にする「クリーン・ブースター」としては良いと思います。そもそも安いエフェクターですが、値下げもされているようですので「お試し」で買っても損はなさそうです。

TC ELECTRONIC/Spark Boosterアナログブースターのレビューと使い方

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