TC ELECTRONICの『Flash Back2Delay&Lopper』は新機能満載。
その中でも感圧式フットスイッチ”MASH”はエフェクター としての可能性を広げ、更にクリエイティブな機体へと進化させています。
今回はそんなTC electronic『Flash Back2Delay&Looper』をレビューしていこうと思います。
Flashback 2 Delay&Looperとは?
2017年リリース、『Flashback 2 Delay&Looper』はデンマークの音楽機材ブランド、『TC electronic(ティーシーエレクトロニック )』が手懸けるディレイエフェクターです。
デジタルディレイの名機と呼ばれる『TC2290』のディレイサウンドを継承し、前作『FlashBack1Delay&Looper」(以下、Flash Back1)の機能をブラッシュアップさせた後継機で、コンパクトエフェクター でありながら多機能、現代の技術を存分に取り入れたハイスペックな1台となっています。
前作(Flash Back1)同様にTONE PRINT対応で、世界の有名アーティストのディレイサウンドセッティングを移植することが可能、更に専用ソフト”TonePrintEditor”を使えば自分オリジナルのディレイサウンドを作ることもできます。
TC ELECTRONIC/Flashback 2 Delayの音質や特徴
7つのディレイタイプ+Loop機能
標準装備の7つのディレイタイプとLoop機能
・2290(デジタルディレイ):TC electronicの名機”TC2290”デジタルディレイのスタンダードディレイ
・Analog(アナログ):BBD素子機構を使ったアナログディレイサウンドモデリング
・Tape(テープ):昔ながらのテープエコー、ディレイタイムの変更の際に生じるピッチの変化など忠実に再現
・Dynamic(ダイナミック):TC2290のダイナミックディレイ機能のレプリカ、入力音よりディレイ音の量が大きくなっていく効果を持っている
・Modulated(モジュレーション付TC2290):TC2290のサウンドにコーラスエフェクトを加えたサウンド
・Crystals(クリスタルズ):新タイプ、ディレイ音1ループ毎に1オクターブ上のピッチ音が重なっていく
・Reverse(リバース):入力された音を逆再生して出力するディレイエフェクト
・Loop(ループ):フレーズ録音、再生、重ね撮り(オーバーダブ)ができるモード
今回新しく開発された新ディレイ”クリスタルズ”は続くディレイ音に1オクターブ上のピッチが重なっていくエフェクト機能で、今までにない面白ディレイになっています。
更にアナログとテープは再度開発し直し、前作(FlashBack1)より再現度の高いディレイ音になっています。
3つのTONE PRINTスロット
Loopを右に回せば、3つのTONE PRINTスロットがあります。
ここはTONEPRINT機能で自分好みのカスタマイズをしたディレイをセットできる場所です。
TONE PRINTとは
TC electronic独自の機能で、PC とエフェクター を繋いでインターネット上に公開されている世界の有名アーティストのシグネチャーディレイモデルをダウンロードできる機能です。
また、専用のソフト(Tone Print Editor)を使って自分だけのオリジナルディレイを1から細かく設定、構築することもできます。
ディレイの基本的なパラメーターコントロール設定はもちろん、そこにトリッキーなモジュレーション系エフェクトを加えるなどセッティングを自由自在に決めることができます。
更に、専用スマホアプリを使うとPC接続なしでシグネチャーディレイをダウンロードできます。
なんとこれはアプリを操作して発信された音を繋いであるギターのピックアップに近づけるとそのままエフェクターに転送する仕組みになっています。凄すぎます!
MASH機能
新機能のMASHは感圧式フットスイッチのことでスイッチの踏み込みの強弱で効果の変化をつけられる機能です。
今回の『FlashBack2Delay&Looper』は通常のフットスイッチに加え新機能MASHが付いており、より多彩なディレイパフォーマンスが可能となっています。
エフェクトONの状態でやや強めに踏み込めばフィードバックが強めにかかり、幻想的なエフェクトになります。
またテープモードで踏み込めば発振状態になり「ギュルルル」っと回転感のあるエフェクト効果を出すこともできます。
そしてこのMASH機能もTone Print Editorを使って自分好みのパラメーターコントロールにすることができます。
踏み込むことによりどのパラメーターを強くするか、最大3つまで調整可能です。
タップテンポ機能について
『FlashBack2Delay&Looper』では外付けの専用スイッチ(MXR/M119、カスタムオーディオジャパンTAPBOX)をステレオ入力端子に繋ぐことでタップテンポ機能を使うことができます。
ディレイタイムをノブコントロールではなく、足元のスイッチを使って感覚的に入力できる便利な機能です。
が実はこれ、前作(FlashBack1)では本体の標準機能で付いていました。
FlashBack1では本体スイッチを押しっぱなしの状態にしてギターをカッティング(刻む)することでテンポ入力ができました。
おそらくMASH機能を付けたことでタップテンポができなくなってしまったのだろうと勝手に思っていますが、個人的に前作のタップテンポ機能は好きだったので唯一残念なポイントですね。
他のFlashBackDelayシリーズ
FlashBackシリーズには他にも上位機種X4と、より筐体を小さくそしてシンプルにしたFlashBackMiniが存在します。
上位機種のFlashBack2X4は全てにおいて『FlashBack2』を上回るスペックになっていて、ディレイモード、TonePrietスロットはより多く、タップテンポスイッチも搭載されたスーパーマシンです。
逆にFlashBackMiniは小さくシンプルに仕上げられていて、その筐体は手ですっぽりと隠せるほど小さくなっています。多機能ではなくシンプルにFlashBackディレイが使いたい方にはおすすめです。
どちらもプレイヤーの好み、環境に合わせた使い方が考えられている点はとてもGOODに感じます。
TC ELECTRONIC/Flashback 2 Delayはこんな人におすすめ
・名機TC2290のデイレイサウンドが好きな方
・クリエイティブなディレイ作りがしたい方
上記、おすすめポイントです。僕の感想と共にまとめていこうと思います。
TC2290が好きな方、これは間違い無いですね。クリアで煌びやかなデジタルディレイの印象。
TC electronic独特のディレイサウンド、唯一無二な感じがします。
クリエイティブな方も良いと思います。
専用ソフト(Tone Print Editor)で自由自在なエフェクト作り。とことんまで音作りしたい方におすすめです。
TC ELECTRONIC/Flashback 2 Delayのまとめ
TC electronicの技術、インターネットやアプリを活用したエフェクター技術を知って時代はここまで進んでいるのかと感動しました。
これからもFlashBackシリーズがどのような進化をしていくのか楽しみです。
TC electronic『FlashBack2Delay&Looper』の情報として少しでもお役に立てれば幸いです。
コメント