海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)ランキングまとめ

海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)ランキングまとめ

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この記事では海外でも相当のテクニシャン、実力者と言われるフラメンコギター奏者(スペインギター奏者)を見やすいようランキングにして紹介しています。

このランキングはあくまでも筆者の中でのランキングであり、年収や実力の上下を決定づけるものでもありません。

海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)の中で、最も筆者の心を打って、なおかつ有名であるという基準のものランキング付けしています。

なぜこの海外のフラメンコギター奏者(スペインギター奏者)が選ばれるのか。

これには納得の実力やテクニックやそれを裏付ける経歴があったのです。

目次

1位 パコ・デ・ルシア

フラメンコのギタリストで、だれが世界で一番有名かと言ったら、文句なしにパコ・デ・ルシアでしょう。

日本でも、パコ・デ・ルシアを知って初めてフラメンコギターに興味を持ったという人は多いと思います。

あまりの斬新さに、当時はプーロ(純粋)さをモットーにするフラメンコアーティストたちからは批判もされましたが、今ではパコの天才さを否定する人は誰もいません。

100年に一度生まれるか生まれないかの、天才ギタリストと言われた人です。他のジャンルの音楽とフュ―ジョンし、フラメンコの概念を徹底的に変えた、いわゆるジャズ・フラメンコの第一人者ですが、それと同時に、純粋なフラメンコギターを次の次元に発展させました。

経歴

アンダルシア地方のアルへシラスの、ヒターノ(ジプシー)ではなく、フラメンコ愛好家のパ―ジョ(白人スペイン人)の家に生まれ、兄弟たちとともに、6歳からギターを弾きはじめ、1963年には、スペイン国立舞踊団のギタリストになりました。

1973年に初めてのアルバム”フエンテ・イ・カウダル”を発表し、そのうちの一曲、”エントレ・ドス・アグアス”がスペインだけではなく世界中で有名になり、他のジャンルのアーティストたちにもギタリスト、パコの名前が知られることになります。

その後、カルロス・サンタナ、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、チック・コリアなどと共演し、特に、ディ・メオラとマクラフリンとはスーパー・ギター・トリオを組んで、世界中で公演しました。

また、兄のラモン・デ・アルへシラス、ペペ・デ・ルシア他とセクステットを組み、ペルーの打楽器、カホンなど、フラメンコでは使わなかった他の楽器を取り入れ、世界中で公演し大成功を収めました。

単なるスペインの、それもロマ族の民俗芸能だったフラメンコの伝統を破らないままに、他のジャンルの音楽から新しい要素を輸入し、世界に通じる音楽にしあげた業績は誰も否定しないでしょう。

使用機材

エルマノス・コンデ

ペペ・ロメロ

レスター・デヴォー

パコ・デ・ルシアプレイスタイル

フラメンコの抜群な右手のテクニックに、他のジャンルの音楽とフュ―ジュンして、新しいコード、独特のリズム感を導入しました。

単なるフュ―ジュンというだけではなく、パコ独自の音楽を作り出したところが、天才と言われる所以。

2位 トマティート

トマティートはパコ・デ・ルシアの後継者と言われた人です。若いころ長い間、パコ・デ・ルシアの第二ギターをしていたことから、パコのスタイルを吸い込みながら、自分の感性のフラメンコを弾くギタリストです。

経歴

トマティートはアンダルシアのアルメリアで生まれました。祖父と父、叔父までギタリストの家庭で、父に小さいころからギターを習い、70年代にプロのギタリストとして地盤を作っていきました。

パコ・デ・ルシアが伝説的なフラメンコ歌手、カマロン・デ・ラ・イスラの伴奏をしていた頃から、第2ギターとして参加します。パコが伴奏から離れた後も、カマロンが亡くなるまで18年間、その伴奏をし続けました。

1992年にカマロンが亡くなった後は、主にギターソロ中心の活動を続け、ラリー・コリエル、ジョージ・ベンソンなどと共演。

伴奏という点では、パコは天才過ぎて、自分の好きなようにコンパスもコードでも遊びすぎてしまうのに反して、トマティートの方がきちんとした伴奏が印象的。

カマロンは、フラメンコではそれまで使うことがなかったピアノやフルートなどを、フラメンコに使った第一人者でした。カマロンの伴奏をしていたため、その広い音楽概念に大きな影響を受けています。

いろいろなジャンルの音楽から新しい要素を取り入れるという点では、パコよりさらに好奇心が強いと言えます。
アストール・ピアツォラやエンリケ・モリコーネの曲のカバーなども発表しています。

1999年以降ラテン・グラミー賞を何度も受賞しています。

トマティートの使用機材

ビセンテ・カリージョ

フアン・ミゲル・ゴンサレス

トマティートのプレイスタイル

「フラメンコギタリスト達は、パコ・デ・ルシアと、その他大勢で成り立っている」とトマティートは一度言いました。

つまりパコを他とは一緒にできない天才と言っているわけなのですが、パコ・デ・ルシアが2014年に亡くなってから、一番パコらしいスタイルを継承しているのはトマティート。

パコらしいフュ―ジョン・フラメンコをさらに発展させたギタリストです。

3位 ビセンテ・アミーゴ

今現在活躍中のフラメンコのギタリストの中で、文字通り第一人者の一人です。

そのポップな感性で、フラメンコ以外のファンも多いです。

経歴

1967年にセビージャ県のグアダルカナルに生まれて、幼少はコルドバで育ったギタリストです。

8歳からギターを弾きはじめ、マノロ・サンルーカルに師事しました。

80年代の後半にはプロとして活躍し始め、数々のギターコンクールで受賞し、91年には初めてのアルバム”デ・ミ・コラソン・アル・アイレ”を発表しました。

95年に発表した”ビベンシア・イマヒナダ”の何曲かが世界的に反響を呼び、日本をはじめとして、世界中でコンサート活動をしながら今に至っています。

使用機材

マヌエル・レイジェス1992

ビセンテ・アミーゴのプレイスタイル

フラメンコの伝統を崩さず、また、パコ・デ・ルシアから始まったモダンフラメンコを継承しながらも、ビセンテ・アミーゴのスタイルは、もっとチル・アウトな、ポップス的な感覚です。

複雑なコードやコンパスを使いながらも、聞き味がずっとイージーなのが面白いですね。

4位 サビーカス

右手のフラメンコのテクニックを革新し、サビ―カスはフラメンコのギターソロを確立したギタリストと言えます。

また、フラメンコという単なる民族芸能を世界中で知らしめたギタリストでもあります。

経歴

5歳からギターを弾き始めました。誰に師事したというわけではなく、ただ叔父のラモン・モントヤがギタリストだったため、その弾き方を見様見真似で覚えたという伝説が残っています。

7歳で観客を前に初めての演奏を行い、10歳で、首都のマドリードに移住、その後すぐにプロとしての活動を始めました。1920年代に、マドリードの劇場やタブラオなどでの活動を続け、少ずつ名前が知られていくようになりました。

1936年にスペイン内戦勃発後、家族とともに外国に亡命し、アルゼンチン、メキシコ、アメリカに渡り、各地でフラメンコの演奏を続けました。

それまでスペイン国内でしか演奏されることがなかった、フラメンコギターを世界中で発表したのです。

サビ―カスがいなければ今のフラメンコギターは存在しなかったと言われています。

早いコンパスで、右手のテクニック、特にアルサ・プアと三本指を使ったラスゲアードなどのテクニックを発明し、それまで誰も聞いたことがなかったギターの音を演奏しました。

また、それまでフラメンコギターは単なる踊りか歌の伴奏としか認められていなかったのですが、サビ―カスはそれまでの、ファルセータ(踊りや歌のつなぎのメロディー)のつながりのようであったギターソロを一貫性を持つメロディーの一曲、音楽に変革させました。

スペインには亡命後、非常に短い間しか帰りませんでしたが、パコ・デ・ルシアをはじめ、多くの次世代のギタリストたちに影響を与えています。

使用機材

レスター・デヴォ―

サントス・エルナンデス

サビーカスのプレイスタイル

現在世界のギターの弾き方で、右手の弾き方が一番難しいと言われています。サビ―カスはそのフラメンコギターの右手のテクニックのいくつかを発明したのみならず、一曲の一貫性を考え、音楽性をフラメンコに導入し、芸術性を高めました。

フラメンコ自体は100年以上かかって、スペインのジプシーの間で発展してきた民族芸能ですが、演ずるのが非常に難しいのでアートとして認められ、今は世界遺産の無形遺産にも登録されています。

サビ―カスこそ、そのギターの部分をアートとみなされるまで芸術性を引き上げた張本人です。

5位 カニサレス

トマティートとともにもう一人、パコ・デ・ルシアの後継者と言ったらこの人でしょう。

経歴

1966年にスペインのバルセロナに生まれ、80年代中はジャズやフラメンコのアーティストとの共演を多くしていました。

1989年から10年間、パコ・デ・ルシアのセクステットに入り、世界中で演奏活動をし、その後は、ソロの活動を続けています。

フラメンコやジャズだけではなく、クラシックの曲もレパートリーに入れ、ベルリン・フィルハーモニー交響楽団とも演奏しました。

使用機材

ビセンテ・カリージョ

カニサレスのプレイスタイル

パコ・デ・ルシアから始まるモダン・フラメンコとともに、アランフエス交響曲など、クラシック曲を演奏することも多く、そのためのギターモデルをビセンテ・カリージョ師匠とともに作った人です。

その正確なメロディックな音楽的なスタイルで、フラメンコを聞きなれていない人にも聞きやすいきれいな音楽を演奏します。

6位 マノロ サンルーカル

パコ・デ・ルシアと同世代の、新しいフラメンコを探求したギタリストです。自分なりの新しいフラメンコ音楽を作ったということで、スペインでは言うまでもない巨匠にあげられるギタリストです。

経歴

フラメンコ愛好家の父に小さい時からギターを教わり、わずか8歳で、地元のフラメンココンクールで受賞。

そこからすでにプロとしての活動をはじめています。

いろいろな舞踊団の伴奏をしながら、1968年にソリストとしての活動をはじめ、1974年には、ルンバ”カバージョ・ネグロ”を発表しました。この曲で、当時のスペインでは、マノロ・サンルーカルは新しい音楽のジャンルを作ったと言われました。

そのころ、マノロは他のジャンルの音楽家がフラメンコの世界に入ってこられるようなフラメンコが弾きたいと思ったと言います。ジプシーのトライブ的な音楽ではなく、オーケストラでもフラメンコを弾けるような、オープンなフラメンコを目指しました。

フラメンコよりもイージーな音楽を発表しつつ、同時に伝統的なフラメンコのルーツを大事にした人です。

スペイン国立舞踊団の”メデア”など、数多くの舞台音楽を作曲しました。

使用機材

ホセ・ラミレス

マノロ サンルーカルのプレイスタイル

オープンなフラメンコを目指しながらも、純粋なフラメンコの音を大事にしたギタリストです。

正確で素晴らしいテクニックのフラメンコの音と同時に、クラシックにも通じるようなメロディックな美しい音のフラメンコを弾きます。

7位 ヘラルド ・ヌーニェス

ヘラルド・ヌーニェスは、スタジオミュージシャンとしての経歴も長い、現代ジャズフラメンコの第一人者です。

経歴

1961年へレス・デ・ラ・フロンテラ生まれ。11歳のころからギターをはじめ、14歳のころには数々の歌手の伴奏をはじめました。

80年代にマリオ・マヤの”アイ・ホンド!”などの舞台音楽を手掛けた後、スタジオミュージシャンになり、フラメンコ以外のいろいろなアーティストのバックミュージックを弾くほか、ドイツなど、スペイン以外での活動をはじめます。

2012年発表したアルバム”トラベシーア”はヨーロッパワールドミュージックリストの12位に入りました。

今現在奥さんのフラメンコダンサー、”アイ・ホンド!”で有名なカルメン・コルテスとともに、後進の指導に当たっています。

ヘラルド ・ヌーニェスのプレイスタイル

スタジオミュージシャンの経験から、抜群のテクニックと、フラメンコから少し外れた音楽性を持ちながら、地元のへレス風なフラメンコを弾きます。

今現在のフラメンコギタリストのなかで、一番ジャズ的な要素が高いのがヘラルド・ヌーニェスです。

8位 ライムンド アマドール

ライムンド・アマドールは今回紹介する中で、一番ジプシーらしい感覚を持ちながら、一風変わった独創性のある感性のギタリストです。

パコ・デ・ルシアほど世界的に有名にはなりませんでしたが、筆者の中では独創性という意味では同じくらいの位置にいます。

経歴

1959年にセビージャで生まれ、12歳のころからギターを習い始めたんだそうです。

セビージャの街で当時の多くのジプシーの若い子たちと同じように、ギターを弾いて大道芸人をはじめ、そののちタブラオで歌の伴奏に雇われました。

パコ・デ・ルシアやカマロン・デ・ラ・イスラなどのアーティストとタブラオで知り合い、共演もするようになります。

そのころ、ロックシンガーのキコ・ベネノと知り合い、ロックバンド、”ベネノ”を作りました。その後、弟のラファエルと”パタ・ネグラ”というバンドを組み、いわゆるフラメンコ・ブルースをはじめました。

1989年に”パタ・ネグラ”は解散しましたが、そののちも、フラメンコ・ブルース、フラメンコ・ロックのコンサートを各地で続けています。

フラメンコを、踊りの伴奏までも、エレキギターのみで弾いた初めてのアーティストです。

使用機材

ヘルンディーノ・フェルナンデス

フェンダー・ストラトキャスター

コンデ・エルマーノス

ライムンド アマドールのプレイスタイル

アマドールは一度、ジミ―・ヘンドリックスが自分の音楽を変えたと言いました。ロック、ブルースなど、フラメンコのスタイルから、一番離れたフラメンコギタリストだと思います。

踊りの伴奏をエレキだけでしてしまったり、BBキングとブルースを共演したり、そのフラメンコからの離れ方は、他のアーティストには考えられないほどです。

なのにもかかわらず、ライムンド・アマドールが弾くブルースやロックを聴いていると、セビージャやマドリードなどの、スペインの都会の片隅で聞けるフラメンコが聞こえてきます。

最もジプシーらしい音楽性を持っている人で、同世代のフラメンコギタリストの中で、いかにもと思うくらいフラメンコ感覚があるギタリストです。

その感性はクールとしか言えません。

海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)ランキングまとめ

  • 1位 パコ・デ・ルシア
  • 2位 トマティート
  • 3位 ビセンテ・アミーゴ
  • 4位 サビーカス
  • 5位 カニサレス
  • 6位 マノロ サンルーカル
  • 7位 ヘラルド ・ヌーニェス
  • 8位 ライムンド アマドール

このランキングはあくまでも筆者の中でのランキングであり、年収や実力の上下を決定づけるものでもありません。

海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)の中で、最も筆者の心を打って、なおかつ有名であるという基準のものランキング付けしています。

今回は海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)を独断と偏見でランキング付けしまとめました。

以下の記事では日本人フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)のランキングも紹介しているので合わせでご覧ください。

海外フラメンコギター奏者(スペインギター奏者)ランキングまとめ

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