MXR/M173 Classic 108 Fuzzのレビューと使い方、音作りのコツ

M173 Classic 108 Fuzzとは?

JIM DUNLOPの人気ラインナップのひとつに、ジミヘンドリックスが使用したファズを再現した「JIM DUNLOP JH-F1 Fuzz Face」があります。その「JIM DUNLOP JH-F1 Fuzz Face」と、今回ご紹介いたします「M173 Classic 108 Fuzz」は、ほぼ同性能のモデルです。大きな違いはファズとワウの「インピーダンスのミスマッチ」が解決できるBUFFERが付いていることです。

この記事ではMXR/M173 Classic 108 Fuzzのレビューと使い方、音作りのコツを紹介しています。

目次

MXR/M173 Classic 108 Fuzzのスペック

商品名M173 Classic 108 Fuzz
メーカーMXR
概要FUZZ
歪みレベル
緩やか
強い
操作
簡単
難しい
音質設定
ザックリ
繊細
汎用性
じゃじゃ馬
何でも
コスパ
低い
高い
おすすめ度
微妙
おすすめ
  • 初めてのファズにはもってこい。
  • 安心のトゥルーバイパス仕様
  • 中身はFuzz Faceですが、使いやすいです。
  • インピーダンス問題の心配がいらない。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzのコントロール部

■ FUZZ
歪みの量を調整できます。
■ VOLUME
全体の音量を調整できます。
■ BUFFER
内蔵されているバッファーのオン/オフの切り替えができます。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzの音質や特徴

特徴1 ファズのうまみだけを味わえる

ファズは、気難しいがんこもの扱されて一時期は廃っていました。ですが、最近のファズは使いやすくなり、身近に感じられるエフェクターになりましたね。

M173 Classic 108 Fuzzは簡単に言ってしまうと扱いやすいFuzz Faceです。

伝説のギタリスト「ジミヘンドリックス」が使ったことで、Fuzz Faceはその名を世界に知らしめました。過激な轟音から繊細なクリーントーン(鈴なりサウンド)までを巧みに操り「ワウやビブラートを絡せた独自のサウンド」をジミは作りあげたのです。

サウンドは素晴らしいものでしたが、取り扱いは難しくナチュラルに歪む「オーバードライブ」の登場辺りから、Fuzz Faceは姿を消していってしまいました。

しかし、90年代突如現れた「グランジロック」のギタリスト達が、ファズの凶暴さを改めて世界に広げたのです。

それ以降は「ファズのうまみ」を残しつつも現代の音楽にもマッチする扱いやすいファズを、JIM DUNLOPは発表し続けています。

特徴2 シリコン・トランジスター

ファズのサウンドを決定づけるパーツが「トランジスター」です。ファズには2種類の、トランジスターが用いられています。

▪ ゲルマニウムトランジスター
初期のファズは、ゲルマニウム・トランジスターが搭載されていました。特徴は、荒々しい歪みのミッドよりのファットなサウンドです。ファズと聞いてイメージする音を出してくれますが、ゲルマニウム・トランジスターは大きな弱点があります。温度変化や環境の変化に弱く、音が変わってしまうのです。夏と冬の季節の違いはもちろんのこと、ステージの照明で上がった温度にも音が反応してしまうのです。
▪ シリコントランジスター
ゲルマニウムトランジスターの弱点は、ギタリスト達を悩せました。そこで新たに採用されたのが、シリコントランジスターです。サウンド的にはハイ寄りの明るい音になり、歪みが深くなりました。そして、温度によって音が変わる弱点も克服されたのです。ですが、ファズマニアには「ファズは絶対ゲルマニウムだろ」という人もいます。このあたりは好みの問題ですので、使ってみて選んでもらうしかありません。

ジミヘンドリックスが活動後期に使用していたファズに、搭載されていたトランジスターと同じ「BC108」がM173 Classic 108 Fuzzにも採用されています。

特徴3 最大の特徴【BUFFERの使い方】

凶暴なファズサウンドに絡みつくワウのエフェクト音は、セットになっていると思える馴染みあるサウンドです。ですが、ファズとワウは相性が悪い場合があるのです。ファズとワウを繋ぐ場合の理想は「ワウ→ファズ」ですが、ワウが「発振」してしまうことがあるのです。ワウがヴィンテージのものだったり、ヴィンテージライクなものだったりすると発振が起きます。こうなりますと、演奏ができる状態ではなくなってしまいます。

これは「インピーダンスのマッチング問題」で、どちらかが故障したわけではありません。長くなってしまいますので、この問題の説明は割愛させて頂きますが、ワウやファズが「故障したわけではないんだ」と覚えておく程度でよいと思います。

インピーダンスのマッチング問題は、ワウとファズの間に別のバッファーを挟むと解決します。もし発振してしまっても、M173 Classic 108 FuzzはBUFFERを搭載していますので、バッファースイッチをオンにすれば問題解決いたします。つまり、バッファーを挟む「めんどくさい接続」を、M173 Classic 108 Fuzzは省いてくれるのです。バッファーオフの時は「トゥルーバイパス」になりますので、スルー音はギター本来の音です。

特徴4 右側にインプット、左側にアウトプット

コンパクト・エフェクターは、右側にインプット、左側にアウトプットが普通です。ですが、円形の筐体のFuzz Faceは逆なのです。そして、大きな円形の筐体(現在はミニ・サイズもあります)が、エフェクター・ボード内を圧迫していました。この二つの特徴が繋ぎにくい原因でした。Fuzz Faceと同じサウンドキャラクターを持ちながら、M173 Classic 108 Fuzzは右側にインプット、左側にアウトプットにジャックの位置が改善されています。筐体は「Phase100」のサイズで小さいとはいえませんが、ジャックが筐体上部に付いていますので接続や取り回しが良くなっています。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzのデメリット

デメリット1 BUFFERをオンにすると音が変わる

インピーダンス問題を一気に解決してくれる「BUFFER機能」ですが、オンにすると音が変わってしまいます。ブライトになって抜けがよい音になるのですが、Fuzz Faceらしさが消えてしまいます。ですので、Fuzz Faceの事を少しでも知っている人にとっては、BUFFERは便利な余計な機能となってしまうかも知れません。

「ヴィンテージワウを使いたいんだから仕方ない」と、割り切って使える人にはデメリットにはなりません。オン/オフが足で操作できるように、別のフットスイッチを付けていてくれたら最高でしたよね。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzの使い方や音作りのコツ

使い方1 鈴なりサウンド

Fuzz Faceを使う醍醐味は、轟音だけではありません。ギター本体のボリュームを絞ることで得られる「鈴なりサウンド」も魅力のひとつです。名前の由来は、高域の成分が「ちりーん、ちりーん」と、鈴がなるような綺麗な音に聞こえるからです。

M173 Classic 108 Fuzzも「Fuzz Face伝統芸」の鈴なりサウンドが出ますが、ひとつ問題があります。BUFFERがオンのときに、鈴なりサウンドがくもってしまうのです。やはり、BUFFERは場面場面で切り替えていくしかなそうです。

使い方2 ブースターとして

今までは、ファズは単体で使うエフェクターという先入観に縛られていました。ですが、扱いやすいM173 Classic 108 Fuzzは「こんな使い方もやっていいんだ」と思わせてくれるファズでした。ブースターとしての音作りは、次のようにやっていきます。オーバードライブは、基本の音作りとして使いますのでクランチぐらいにしておきます。ファズは、基本の音をプッシュするために使います。

ファズのザラザラした毛羽立ち感を出したいので、FUZZのツマミは上げ気味にします。LEVELは音量を整える感じでセッティングしておきます。ブーストさせて歪せるというよりは「ファズのうまみ成分」をプラスするという気持ちで触っていくとセッティングはうまくいきます。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzの似ている機材と比較

One Control BALTIC BLUE FUZZとの比較

手に取りやすいお値段で、高品質なエフェクターを提供してくれるメーカーOne Controlの「BALTIC BLUE FUZZ」との比較です。

BALTIC BLUE FUZZは「ビッグマフのロシアンマフ系」にあたりますが、フルコピーではなく現代でも使いやすいようにアレンジされています。ロシアンマフはディストーションに近いサウンドです。歪みの特徴は受け継いでいますが、弱点であった「音抜けの悪さ」や「歪せすぎると潰れてしまう」部分をBALTIC BLUE FUZZは改善しています。

サイズはOne Controlお馴染みの極小サイズです。歪みが安定していますのでハードなロックに限らず、歌モノにファズサウンドを持ち込みたい人にもおすすめです。

荒々しい王道のファズ・サウンドが欲しい人はM173 Classic 108 Fuzzですね。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzを実際に使った感想

使っているうちにデメリットとしてあげていた、BUFFERをオンにした音が「なかなか使える音だな」と思えてきました。ゲインが少しあがりディストーションに近い音になりますので、オン/オフする操作が少々面倒ですが状況で使い分けていけたらよいですね。

そして、実験的にBUFFERがなくてもワウが使える対策を考えてみました。

結果はワウとファズの間にTS系のオーバードライブを置いて
▪ LEVELは12時ぐらい。
▪ DRIVEは10時ぐらい。
▪ TONEはお好みではありますが抑え気味がよい。

これでBUFFERをオンにしなくてもワウが使えますが、この方法ですと2個でやっと1個の用を足すということですので「そこまでするべきなのか」とは思ってしまいます。

MXR/M173 Classic 108 Fuzzはこんな人におすすめ

■ Fuzz Faceは好きなんだけど筐体が大きすぎてボードに組んでいない。
■ ワウとファズのインピーダンス問題で悩んでいる。

再注目され始めたファズですが、これからは人気を維持できるのではないでしょうか。「M173 Classic 108 Fuzz」をはじめ最新モデルのファズは、どれも扱いやすく個性があります。じゃじゃ馬だと敬遠されていた、Fuzz Faceサウンドがバンドに持ち込め使えるようになったのです。

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