VOODOO LABのパワーサプライPedal Power 2 Plusのレビューと使い方を解説しています。
VOODOO LABのパワーサプライPedal Powerには様々な種類がありますが一番人気のPedal Power 2 Plusとはどのような違いがるのでしょうか。レビューだけでなくペダルパワーシリーズの種類の違いも細かく比較しています。
Pedal Power 2 Plusとは?
「Pedal Power 2 Plus」は8個のペダルに安定した電源を供給できるパワーサプライです。8ポートすべてアイソレートされていますので、デジタル・エフェクターと混在させてもローノイズです。ACアウトも付いていますのでマルチ・エフェクターなど別電源も一括で供給できます。
エフェクターの消費電力に合わせて、各ポート裏面の「DIPスイッチ」で変更できますし、別売りの「ダンブリング・ケーブル」を使って接続すると18vや24v出力にも対応できます。
Pedal Power 2 Plusのスペック
商品名 | Pedal Power 2 Plus |
メーカー | VOOD LAB |
概要 | パワーサプライ |
Pedal Powerの種類と違いを比較
Pedal Power 2 Plus
8ポートで12vに変換できてACアウトまで付いています。ですが、電流は「100mA~250mA」ですので最近の大容量の空間エフェクトなどは、ひとつだけついているACアウトからとるしかないようです。
Pedal Power 4X4
8ポートで12vのアウトプットも付いていて、内部温度を感知して作動するファンが搭載されています。電流は「100mA~400mA」ですので余裕でデジタル・エフェクターも動作します。
Pedal Power X4 [PPX4]
4ポートと少なめですが電流がすべて余裕の「500mA」となっています。Pedal Powerシリーズの中では一番軽量でコンパクトです。
Pedal Power ISO-5
5ポートで12vと18vのアウトプットが付いています。電流は2ポートの「400mA」が付いていて、これから9vか12vを選べます。この400mAのアウトプットは同時に使えないので注意が必要です。
それぞれのちがいまとめ
共通のスペックは
▪アイソレーション
各アウトプットが絶縁されているのでエフェクター間での干渉がない。
▪トロイダルトランスフォーマー
こちらも各アウトプットに搭載されたノイズ対策
▪ リニア電源
重くかさばるリニア電源ですが、スイッチング電源よりノイズを排除できますのであえて採用しています。
となっていてます。違いは上記の通りですので自分に必要な「Pedal Power」を選びましょう。
Pedal Power 2 Plusの特徴
特徴1 アイソレート
最近のパワーサプライでは必須項目となってきている「アイソレート」ですが、少し前まではPedal Powerの「専売特許」みたいなものでした。各ポートを独立させて干渉させないようにしてノイズ軽減させる機能ですが、これがあるとないでは使い心地がまったく違います。
特徴2 200wまで対応のコンセント
Pedal Powerシリーズで2 Plusだけに、裏面に200wまで対応のコンセントが装備されています。マルチ・エフェクターや大容量空間系エフェクターなど、別電源が必要な場合にタップを準備する必要がないのでセッティングがスムーズになります。
特徴3 DIPスイッチの使い分け
DIPスイッチは8ポートすべてに付いていますが、各ポートで作用が変わってきます。
▪ 1~4
オンにすると12v電源供給ができます。正確には12.3vとなっていてBOSSの「曲者電源」ACAに対応できるようになっています。
▪ 5~6
オンにすると12v電源供給ができます。このポートでは電流が250mAとなりますので、消費電力の高いエフェクターに使えます。表示が「L6」となっていますが、付属の専用端子ケーブルを使えばLine6のDL4などに最適な電源供給ができます。
▪ 7~8
オンにして調整ツマミで9vから4vまで電圧を調整できます。「なぜわざわざ低くするのだろう」となりますが、ファズやディストーションは低い電圧の時に良い音が「個体や回路によりますが」する場合があります。ファズは「電池が切れかけの時がいい音がする」と聞いた事はないでしょうか。7~8ポートでは電池の消耗具合をシュミレートできるのです。これは凄い機能だと思います。
特徴4 付属ケーブルが充実
あらゆる電源供給に対応するPedal Power 2 Plusですので、接続ケーブルも数種類必要になります。
付属されているケーブルは
▪ 通常の9v用が6本
▪ Line6用が2本
▪ センタープラス用が1本
▪ 9vバッテリー・スナップ1本
と、ほぼ対応できるようになっています。
Pedal Power 2 Plusのデメリット
デメリット1 大きくて重い
サイズが「W152×D86×H44mm」で重量が「0.91㎏」とかなり大きくて重たいです。ですが、「PEDAL TRAIN」などの背面にパワーサプライを張り付けるタイプのボードもありますので、最近ではデメッリトではなくなってきています。
Pedal Power 2 Plusの使い方やセッティング例
使い方1 グランド・ループ
Pedal Power 2 Plusはアイソレートされていますので「グランド・ループ」は気にしなくて良さそうですが、少しは影響があるように思えますので、出来るだけ綺麗にエフェクターを囲ったりしない配線を心がけましょう。
グランド・ループとは、エフェクターを繋いでいく時にシールドや接続ケーブルで出来る「輪っか」の事です。意識して組んでいくと配線も綺麗になりますしノイズも軽減されます。
使い方2 ポートの順番を変えてみる
ノイズが気になった時の対処法として、挿しているポートを変えてみると良い結果が出たりします。これは研究結果ですが、ワウと歪みの電源が並んでいるとノイズが出やすいのでなるべく離して繋ぐと良いです。
CUSTOM AUDIO JAPAN AC/DC Station Ⅵとの比較
良質のシールドでも有名な「CUSTOM AUDIO JAPAN AC/DC Station Ⅵ」はユーザーの意見を取り入れアップデートを続けるパワーサプライです。8ポートで電流は一律450mAですが、新品のアルカリ電池と同じぐらいの9.65vを安定供給します。最大の特徴は、電圧表示機能でどれぐらい供給しているかをデジタル数字で表示しています。大容量のデジタル・エフェクターの使用は厳しそうですが、9.65vの安定供給は凄く魅力的です。
サイズもお馴染みの軽くて細身のシェイプですし、お値段も一万円を切っていますが、アイソレートはされていませんので値段、サイズ、9.65v、アイソレートが選択の基準になりそうです。
VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-08 MKⅡとの比較
コンパクト・エフェクターがどんどんデジタル化されていくにつれ、パワーサプライでの運用は必須項目になってきています。アナログ・エフェクターとの混在でノイズが発生しだしアイソレート・タイプのパワーサプライが登場したのですが、少し前まではアイソレート・タイプは3万円近かった記憶があります。ですが、ついに一万円前後でアイソレート「独立型」が登場したのです。VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-08 MKⅡは、そのコスパの高さと高機能で瞬く間に世界中に広がりました。
気になる性能ですが、6ポートが電流が500mA、2ポートが12vと18v対応の800mAで、総電流容量は余裕の2000mAと非の打ち所がない仕様です。
ですが、初期不良品が多かったり出力電圧が表示未満であったりと問題があります。この辺りが選択の基準となります。
Pedal Power 2 Plusを実際に使った感想
憧れのパワーサプライだったPedal Power 2 Plusですが、VITAL AUDIO などの新鋭メーカーの出現で乗り換える人も少なくはありません。デメリットの大きさや重さは、メーカー側のこだわりがあるようですので変更されることはなさそうです。あれだけの機能を搭載すれば大きな筐体になるのは仕方ありませんが、昨今の「とにかくコンパクトにボードをまとめたい」傾向からすると時代遅れに感じてしまうのも確かです。たくさんエフェクターを使う人は、それなりに運搬対策も考えているでしょうし、安定した供給を望む方は購入をお勧め致します。ギターを弾くうえで必要な電源は、ほとんどこれ一台で確保できます。
Pedal Power 2 Plusのはこんな人におすすめ
■ エフェクターが増えてしまった。
■ デジタル・エフェクターとアナログ・エフェクターの混在でノイズが出るのを知らなかった。
■ マストのエフェクターにBOSSのACA電源のものがある。
■ Line6のエフェクターの電源供給をひとまとめにしたい。
今でもプロ・ギタリストのボードには「Pedal Power 2 Plus」の姿があります。新製品には敏感でいたいですが、見極める目は持っていたいものです。重くて場所を取る「Pedal Power 2 Plus」でございますが、その電源供給機能は使い続けていける確かなものです。
ペダルパワーシリーズは上記の特徴に加えそれぞれの個性があるので自分のプレイスタイルに合ったものを選んでくださいね。
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