世界初のコーラスエフェクターとして発売されたBOSS CE-1の血統を継ぐCE-5。
BOSSは日本のメーカーですし、我々日本のミュージシャンは心のどこかに「エフェクターはBOSSに始まりBOSSに終わる」の気持ちがあります。
特にコーラスはBOSSという概念があります。
CE-5は良い意味で「無個性」な定番エフェクター。
そんなBOSS/CE-5のレビューを詳しく解説していきます。
CH-1と比較すると違いはどこにあるのでしょうか。
BOSS/CE-5のスペック
商品名 | CE-5 |
メーカー | BOSS |
概要 | コーラス |
特徴 | 音域調節出来るFILTER |
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BOSS/CE-5の音質や特徴
CEの名を継ぐエフェクターですから、BOSSの意欲作と思わざるを得ない訳ですが、CE-5はもちろんその期待を裏切らない性能を秘めています。
コントロール部
- E.LEVEL
-
原音とエフェクト音のミックスレベルを調節するツマミです。
- RATE
-
音の揺れを調節するツマミです。
- DEPTH
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エフェクト音の深さを調節するツマミです。
- FILTER
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これは2つ一緒になっていますが、中の方がHIGHのEQ、外の方がLOWのEQとなっています。
現代にも対応できる伝統の音
出音はCEシリーズの名に恥じない「揺れる」コーラス音が引き継がれています。
そして、過去作の音瘦せは解消されていますし、クリアーな音抜けの良いサウンドになっています。
FILTERでのEQ調節
好みの音作りの最中にピンポイントで音域を調節出来るFILTERでのEQ調節が、他のコーラスにはない最大の特徴です。
過去作の音の「どんより感」が嫌いで「EQにHIGHとLOWが付いていたら」と思った方も多いと思います。
CE-5にはそれを改善できるツマミが付いています。
操作は、HIGHはプレーン弦にLOWは巻弦に効く。とイメージしてください。
BOSS/CE-5のデメリット
ツマミが多い
コントロールノブが多いエフェクターは苦手という方もたくさんいるからこそ、BOSSのコーラスはシンプルな操作で人気があるとも言えます。
しかしFILTERの追加で操作する部分が増えてしまいました。
そのためCE-5を敬遠されているところもあるのかも知れませんね。
ですが、CE-5の最大の特徴はFILTERであり、このFILTERサウンドメイクの可能性を大幅に広げる機能ですので、これを機会に是非とも慣れていって欲しいです。
いつの間にかデジタル化
1991年にアナログコーラスとして発売されたCE-5ですが、いつの間にかデジタル化されています。
大胆な使用変更ですが
- 「音が変わった」
- 「もう使えない」
など話題にもならず、また、理由も明確にされずすんなり変更されています。
このような大胆な仕様変更を嫌う人もいますが、そこまで話題にならないという事はスムーズにその変更を受け入れさせることができるBOSSの技術力の凄さが分かる出来事ですよね。
特別デメリットでは無いのですが、CE-5を中古で購入される場合は、アナログの物も混ざって出回っていますので注意が必要となります。
仕様変更の補足
少しマニアックな話になりますが、アナログで使用されていたパーツの一部が希少な物となってしまい、コストがかかり過ぎるため、デジタルで再構築するしかなかった。というのが本当の理由な様です。
この変更を気付かせないBOSSの技術に脱帽です。
また、私の所有しているCE-5はデジタル(現行品)ですが、俗に言う「冷たさ」を感じたことはありません。
ですが、中古のアナログの物を見かけましたらきっと買って弾きくらべをしてしまうのでしょうね(笑)
CE-5をアナログかデジタルか見分ける方法
見極めは簡単。
裏のラベルがピンク色でしたらアナログです。
BOSS/CE-5とCH-1との違いを比較
CE-5と並んでCH-1もBOSSのコーラスエフェクターで有名です。
CE-5と比べてCH-1は爽やかにかかるい印象です。
コントールもシンプルですので、あまり根を詰めてセッティングしなくてもクリーンにかけてしまえば、それなりの音になります。
したがってCH-1は初心者向けではありますね。
FILTERなどでの調節や深いうねりや歪みとの併用を望む方にはCE-5でしょうか。
BOSS/CE-5の使い方やセッティング、音作りのコツ
歪みエフェクターとの併用
HIGHを結構強めの5時の位置で存在感を示しだします。
すると歪んだ音の上にキラキラ感が乗るという他のコーラスでは味わえない音が出ます。
ですが、印象が薄れてしまう事を逆手に取り、FILTERを12時ぐらいの方向にしておいてクリーンでイントロを弾き、Aメロ突入と同時にオーバードライブを踏んでカッティングという使い方をしますと、うっすらとコード感を盛り上げてくれるコーラス効果を得られます。
クリーンでのおすすめセッティング
ツマミをフラットにしても、それなり使えてしまいますが、やはりCEシリーズの深いうねりを強調したくなります。
RATEを3時ぐらいにして、FILTERはHIGHは強めでLOWは弱めにします。
すると音を聞いただけでクリーントーンでアルペジオが弾きたくなるような煌びやかな音になります。
今までのCEシリーズはLOWがデフォで、そこそこ揺れるようになっていて「どんより感」が出てしまいますが、CE-5でLOWカットで使いますとスッキリして抜けがよく気持ちが良い音が出ます。
BOSS/CE-5を実際に使った感想
ライブでは歪みの前の方に置き薄目のセッティングが使いやすいです。
ですが、RATEは深めでCEシリーズのうねりはしっかり出しています。
レコーディングではステレオで繋ぎ、場面場面でセッティングを変えて可能性を試しています。
CE-5はツマミをどこに合わせても音質の軸がぶれずに、こちらの直感的な発想に付いて来てくれるところが凄いです。
BOSS/CE-5はこんな人におすすめ
CEシリーズの音が大好きで、ずっと使ってる方はたくさんいらっしゃいます。
ですが、CE-1は電源がACですし、重量もありますし、サイズも大きすぎです。
コンパクト思考の現代では、なかなか持ち回りが現実的ではないと思います。
CE-2やCE-3は性能の割には「プレミア価格」となってしまい、余程こだわりのある方以外は、気軽に買えるお値段ではなくなってしまいました。
CEシリーズのファンの方はヴィンテージ志向が強い方が多い様に思えますので、現行品でデジタル化されたCE-5はいまだに「新参者」扱いされている様です…。(こんなに良いのに悲しい…。)
ですが、個人的にはCE-5は、ちゃんとCEシリーズの音も出るし、アレンジの幅も広ろがるし、これのどこがどういけないのと思ってしまうほどです。
余計な先入観で「こんなもの…」を「これがいい!」に変えてくれるエフェクター「CE-5」を是非お試し頂きたく思います。
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