エレハモ/Small Cloneをレビュー!Nano Cloneとの違いや音作りのコツなど

目次

Small Cloneとは

Electro-Harmonixは回路が小さくても大きめの筐体が多い事でお馴染みですが、Small Cloneも名前と違い大きめのサイズで安心の重圧感です。世界的にも「コーラスといえばSmall Clone」とスタンダードな風格さえありますが、他のメーカーの物とは一線を画す個性的なコーラスです。

Small Cloneの音質や特徴

シンプル極まりないコントロール

真ん中にコーラス効果の調節をする大きめのRATEノブがあります。左に回しますと「薄く」右に回しますと「濃く」なります。その横にDEPTHの2段切り替えのスイッチがあります。下にすると「浅め」上にすると「深め」になります。たったこれだけですが、使った感想は「これでいい」です。あまり効果がわからないノブが付いているエフェクターと違い潔く直感的に音作りが出来ます。

DEPTHスイッチでの激変

DEPTHで深さを調整してRATEで速さを調整します。DEPTHを切り替えますと別物になったような変貌を遂げます。浅い方は優しく馴染む感じですが、深い方は怪しく深く揺れて、まるでシンセの電子ノイズの様にも聞こえます。

アナログならではの不安定さ

RATEを9時ぐらいで使いますと良い意味でコーラス効果の揺れが不安定に感じます。デジタルにはない暖かい音です。一方、RATEのスピードを上げるとザクザクと不安定に縦に揺れて他のメーカーの物にはないエレハモらしいエグさが出ます。

Small Cloneを使用している有名人

ニルヴァーナのカート・コバーンが使用している事が有名です。「Come as you are」のイントロでその音を聞くことができますが、カートはDEPTHは浅い方RATEは10時ぐらいのセッティングで使っていたようです。一方、ライブでは歪ませた音にDEPTHを深めにかけ更にフランジャーで揺らし爆音ノイズを発生させていました。このイメージが「エグいコーラス」と呼ばれる所以になったのでしょうか。楽器店でのSmall Stoneの売り文句も「あのカート・コバーンも使ってる!」みたいな文をよく見かけます。他の使用者はU2のジ・エッジや、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンがいます。

Small Cloneのジャンル別の音作り

RATEとDEPTHしか音色を変えるコントロールがついていませんが、この2つを駆使して様々な音作りが出来ます。

カート・コバーン風

先ほども書きましたが、カートはクリーンの時はDEPTHは浅い方にしてRATEは10時ぐらいのセッティングで使っています。曲によって変えてはいますが、これを基本にRATEで調節という感じです。やさしく馴染む音作りですが、Small Cloneの持っている不安定な揺れがニルヴァーナの楽曲を彩ります。ライブではエフェクターの前にしゃがみ込んで、DEPTHを深めに変えてRATEを直感的に回しています。ファンの方はこの辺りも真似されていますね。

ファンク風

DEPTHは薄い方でRATEを2時ぐらいで派手に使うとカッティングの色付けに良い感じです。ファンクのカッティングは単音ミュート音もよく使いますが、それに絡みつく様なコーラス音がかっこいいです。

ブリティッシュ・サイケデリック風

DEPTHは濃い方でRATEをマックスにしますと早い回転のレズリー・スピーカーの様な、キラキラしたトレモロの様な独特な怪しい揺れになります。イギリスのロックバンドがサイケな曲調で使いそうな音です。

フォーク・ロック12弦ギター風

DEPTHは薄い方でRATEをゼロにしますと、音が横にシャリーンと広がるように聞こえて12弦ギターを弾いているかのようになります。個人的にはこの使い方が好きでフォーク・ロック調の曲の時にかけています。

Small Cloneのデメリット

デメリット1 音痩せ問題

音痩せします。たしかに原音は痩せてしまう印象ですが、それにエフェクト音が絡んでくるのでプラスマイナスゼロの様な気がします。「使いたいけど気になる」という方はループに挟むと解決するかと思われます。

デメリット2 バイパス時の音痩せ

トゥルーバイパスでないためバイパス時にも音痩せします。こちらもループに挟めば解決しますが、トゥルーバイパスに改造するという手もあります。音痩せをクリアするモデファイ品も作られている様です。

デメリット3 スイッチング・ノイズ

オンにする時に「ガチッ」「ブツッ」とノイズが少々出ます。ライブでの曲調によりますが、静かに終わっていって最後に切るとかですと気になるかもしれません。ですが、バンドの演奏中であれば微々たるものです。スイッチの交換で無くすこともできる様です。

デメリット2 電源ジャックの口径

公式サイトによれば2015年4月製造分からは汎用品に変えられているそうですが、中古で購入して場合など3.5mmの電源ジャックの物に出くわす場合があります。どこの楽器屋にも変換プラグが売ってますので、それを付ければ対応できます。汎用品に変更されましたし、こちらはデメリットと呼ぶほどではないかもしれませんね。

Small Cloneと同価格帯の機材と比較した場合の感想

MAXON/CS-550 Stereo Chorus

日本を代表するギタリストCHAR氏の監修のもと作られた定番アナログ・コーラス「MAXON/CS-550」です。明るく爽やかなパリッとしたかかり方をします。Small Coneのおおざっぱな揺れと比べますときめが細かいです。コントロールは3つで「SPEED」「DEPTH」「D-TIME」が付いています。D-TIMEでかかりの幅みたないものを調節できます。最大な違いはステレオアウトが付いてる事です。2台のアンプで鳴らしますと更なる広がりあるコーラス効果を得られますが、ライブでの使用はセッティングが大掛かりな物となりますし、あまり現実的ではありませんね。

BOSS/CE-2W

世界初のコーラスエフェクトCE-1の後継機としてコンパクト化され発売されたCE-2が「技 WAZA CRAFT」で蘇っています。オリジナルとの違いはステレオアウトとCHORUSとVIBRATOの2つのモードが追加されています。BOSSのコーラスはROLANDのJAZZ CHORUSのコーラス音を想像して頂ければ良いのですが、やはり世界中のコーラスエフェクトはJAZZ CHORUSの音を参考にして作られていると思います。CE-2Wは血統書付きの純血犬、Small Cloneは雑種犬だけど「賢くて愛くるしい」というところでしょうか。

Small CloneとNanoとNeoの違いを比較

大きなサイズが定番のエレハモのエフェクターですが、ユーザーから「エフェクター・ボードの場所をとりすぎる」などの声に応える様に、古いモデル達を「Nanoシリーズ」や「Neoシリーズ」として小さいサイズで復活させています。

Nano Clone

かなり小さくなっていますが基本的な音は同じとされています。ですが、肝心なDEPTHスイッチがついていません。コストカットのためでしょうか、その分かなり値段は安くなっています。使った印象は音が丸く落ち着き過ぎている感じがしました。「DEPTHスイッチがあれば」と思ってしまいます。「派手に使わなくても良い」「とにかくボードをコンパクトにしたい」という方にはお勧めです。

Small CloneとNano Cloneの明確な違いはサイズだけという認識で問題ないでしょう。

Neo Clone

Neo CloneにはDEPTHスイッチがついています。こちらが純粋なSmall Cloneの小型化後継機となりますね。Neoも基本的な音は同じとされてますが、使った印象は新しい鮮やかな効きを感じました。Small Cloneの不安定な感じと太さが減っているような印象です。音痩せも若干改善されている様に思います。「値段も安い小さいし音痩せも少ないのならこちらで良い」とオリジナルの音にこだわらない方にはお勧めです。

Small Cloneとの音質の違いは音痩せの改善。

Small Cloneを実際に使った感想

独特な聞けばすぐ分かる音が出ますしコントロールもシンプルですので、好みの音が出来たらつい固定して使ってしまいますね。ライブではもっぱら12弦ギター風に使っています。他のメーカーのコーラスには無い、存在感をアピールしながらアンサンブルに溶け込む何とも言えない感じで気に入っています。RATEのノブが大きいですので、ライブ中リアルタイムで足で回してスピードを変えるのも可能といえば可能です。

Small Cloneはこんな人におすすめ

「ライブでアコースティックギターに持ち替えるの面倒だな」という方には12弦ギター風の使い方を「ノイジーな曲を作ったんだけどイントロやソロに変わった音が欲しいな」という方にはブリティッシュ・サイケデリック風の使い方を「BOSSのコーラスを使ってるんだけどファンキーなカッティングには大人しいかかりなんだよな」という方にはファンク風の使い方をお勧めします。ニルヴァーナのファンの方にはSmall Cloneは必須アイテムですので買うしかありませんよね。

シンプル操作で定番であるSmall Clone。皆様の楽曲をある時は派手に、ある時は優しく深く彩ってくれることでしょう。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる