Soul Foodエフェクターとは?
1968年ニューヨークでマイク・マシューズによって設立された「electro harmonix」は数々の変態的なエフェクターを現在も発売し続けています。嫌いな方には「やりすぎ」と敬遠されてしまいますが、愛好家達には「我らのエレハモ」と親しまれています。
変態的なエフェクターとは、踏めば一撃ノックアウトの効果を発揮する、ピーク値の高い、良い意味での我の強いエフェクター達の例えです。
変態全開のイメージの強いエレハモですが、優等生達もいます。
今回の記事では変態的なエフェクターぞろいのELECTRO-HARMONIX(エレクトロハーモニクス、通称:エレハモ)の中でも優等生代表の「 Soul Food(ソウルフード)」というエフェクターにスポットを当ててみたいと思います。
ELECTRO-HARMONIX/Soul Foodのスペック
商品名 | Soul Food |
メーカー | ELECTRO-HARMONIX (エレクトロハーモニクス、エレハモ) |
概要 | ケンタウロスのクローン |
用途 | オーバードライブ |
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ELECTRO-HARMONIX/Soul Food誕生の理由
Soul Foodの前にケンタウロスを知ろう!
有名な話ですが、ELECTRO-HARMONIX/Soul Foodは名機ケンタウロスのクローンモデルとして誕生いたしました。
製作者のビル・フィネガン氏が、4年の歳月を費やして作り上げたケンタウロスは、1994年にKLON社によって発売されました。
2009年まで作られたケンタウロス(オーバードライブペダル)は、小さな工房でハンドメイドで少量生産されてしました。
したがって高額ではありますが、大量生産されている物とは違うクオリティーを持ついわゆる「ブティック系エフェクター」と呼ばれるもに相当します。
ケンタウロスのサウンドの特徴としては、とにかく抜けがよくトーンの効きに遊びがありません。
このことからエフェクター自体の個性を発揮しながらアンプの性能を引き出す「オーバードライブの王様」と呼ばれています。
ケンタウロスは約15年間作られましたが、製造時期によってデザインが異なるラインナップが存在しています。
内部構造は同様となっていますが、個体差によって音が違うとされ、マニアの間ではシリアルナンバーで値段の振り分けが行われ、いずれも中古市場で高額な値段で取引されています。
気軽に使える伝説的エフェクターのクローン「Soul Food」爆誕
伝説のエフェクターとなり、手の届かない存在になってしまったケンタウロスですが、当然の流れとして、回路をコピーして作られたクローン達が登場します。
似たような音が出る安価なエフェクター達は、ケンタウロス系オーバードライブと呼ばれ、新たなジャンルとして変貌を遂げていきます。
ケンタウロスは買えない、だからSoul Foodを選びました。
私もよくギタリスト仲間に「ケンタウロスはいいよ」「多分相性良いと思うよ」などと勧められますが、はい、そうですかと気軽に買える値段ではなくなってしまっています。
ですが、クローンなら入手できますし名機の雰囲気を体感できますよね。
日本のブティック系のメーカー達もこぞってケンタウロスのクローンを作り、そんなに安価ではない値段で発売しています。
その中でも筆者の目にとまったのは、老舗メーカーのelectro harmonixが制作し1万円以内のお値段で売られているSoul Foodでした。
他のブティック系メーカーのケンタウロスクローンとELECTRO-HARMONIXのSoul Food比べましても、ELECTRO-HARMONIXの老舗の意地を感じます。
マイク・マシューズ(エレハモ創設者)の「俺達が本気出せば、この値段で同等の模造品作るなんて簡単だぜ~」と高笑いが聞こえてきそうな出来栄えです。
つまり、ELECTRO-HARMONIXのSoul Foodはどこのメーカーのケンタウロスのクローンと比べても、クオリティーが高かく、安いという事なのです。
エレクトロハーモニクスのSoul Foodの音質や特徴
特徴1 スルーの状態での機能
ケンタウロスは繋ぐだけで「スイッチオフの状態」でも、軽くコンプレッサーがかかったように音に張りが出ると言われています。
その機能はSoul Foodには感じられませんが、オンの状態でしたら、トレブルノブを9時辺りに設定しますと、ハイが抑えられ、ミッドがギラっと顔出し本家の感じに作り込めていけます。
したがって、トーンのトレブルを意識して追い込んでいけば、かなり近い感じになると思います。
特徴2 歪みの雰囲気
ケンタウロスの歪みは良い意味で、太くてもっさりとしている印象です。
一方でSoul Foodはハイは尖がるというか、密度が濃いように感じます。
また、ファズにカテゴライズされていることもありますがファズというほど歪みは感じません。
エレハモの人気機種「ビッグ・マフ」のような匂いがします。
特徴3 トーンの効き
トーンの効きにもエレハモらしさを感じてしまいます。トレブルを上げてフィードバックさせると、ザラザラとして汚く歪むのですが、この汚さがエレハモらしい極端な音ですよね。
エレクトロハーモニクスのSoul Foodのデメリット
デメリット1 アダプターの注意点
「付属のアダプターでないと本体に大きなダメージを与えてしまいます。」と、取り扱い説明書に書かれています。
エフェクターボードに組み込んでしまいたい場合、これはなかなか使い勝手悪いですよね。
また、「消費電力は22mAで、電源アダプターは9VDCとなっています。」とありますが、他のアダプターを使って電圧違いでの故障は保証対象外となります。
デメリット2 電池駆動での使用
9V電池での使用の場合は、アルカリ電池を推奨しています。
アルカリ電池は高価な消耗品です。
また、よくある電池消耗のミスとして、インプットジャックを抜き忘れた場合はすぐに消費されてしまうという事が挙げられランス。
Soul Foodだけをアンプとの間に繋ぐならば問題ありませんが、他のエフェクターとの併用となりますと、全部バラバラで持っていき、毎回繋ぐのが面倒でありますし悩ましいですよね。
私が思いつく解決法ですが、一番最初に繋ぎバッファーとして使う事です。
他のエフェクター達はアダプターから電源供給しておいて、Soul Foodだけ電池駆動にしておく。
一番最初に繋いでますから、ギターからのシールドを抜けば、無駄な電池消耗の恐怖から解放されます。
バッファーとしての使用例は後程記述いたします。
Soul Foodのセッティング、つなぎ方、音作りのコツ
使い方1 クリーン・ブースターとして
本家ケンタウロスを使われてる方のほとんどが、一番最初に繋ぎ、常にオンというセッティングになっている印象ですが、当然のことながらSoul Foodもこの仕様方法がハマります。
このセッティングであれば高域の煌びやかさを失う事無く、クリーンが太くなり音が前に出てきます。
コツはアンプのクリーンチャンネルでトーンはフラットにしておいて、エフェクター側をアンプのコントロールの様に触っていくと良いかと思います。
使い方2 ゲイン・ブースターとして
ゲインを回し切りドライブさせると、実は本家のケンタウロスより歪みます。
切れの良い素直な歪みの印象ですが、アンプをクランチにしておいてプッシュさせる役割で使いますと、かなりなハイゲインな音になります。
注意点としてエレハモの他のエフェクターは良くも悪くも変態ぞろい。Soul Food以外でこの使い方をしますと、各個体の個性をが前面に出てしまいます。
しかしELECTRO-HARMONIXの優等生「Soul Food」のこのセッティング辺りは、本家ケンタウロスの良い所を真似しているようです。
使い方3 ハムとシングル
エレクトロハーモニクスのソウルフードはピックアップはハムでもシングルでも相性良く鳴ってくれます。
ただ、シングルですと出音の低域が細くなってしまう印象。
ですが、これは好みなので、淡白な音が好みの方にはハマる音です。
使い方4 おすすめの使用方法
Soul Foodも本家と同様に、一番最初に繋ぎ常にオンで使うのが最も良いです。
ですが、クローン品でありながらも、トレブルにエレハモの意図が組み込まれているのがSoul Food。
したがって、トレブルに少しエレハモらしさを仕込んだ製作者側の意図を把握して、繋いでいる位置はそのままで、トレブルを上げ気味にザクザクした歪みを活かし派手に使うのも結構おすすめですよ!
エレハモのソウルフードと他のクローン品の値段と性能を比較
沢山のクローン品がありますが、値段は断トツでSoul Foodがお安いです。
CHELLEE GUITERS & EFFECTSのPONY BOYは優秀とされていますが、お値段は倍以上します。
BONDI EFFECTSのSICK AS OVERDRRIVE MK2は、本家の弱点を克服していると評判も良いですが、お値段は約4万円。
ELECTRO-HARMONIX/Soul Food以外ですと、個人的にはJHS PedalsがSoul Foodをモデファイして更に本家に近づけた”Meat & 3″がお得のような気がします。
そもそも出来の良いSoul Foodが、とても評判の良いJHSにモデファイされ、お値段も2万円ぐらいですから。
優秀(Soul Food)+優秀(JHS)のコラボと言ったところでしょうか。
ELECTRO-HARMONIXのSoul Foodを実際に使った感想
ライブで単品での使用はアンプを選びます。
ですから普段使っている熟知したアンプを持ち込むのであればスムーズにいきます。
この使い方ですと、アンプが持ち込めない場合でも、何処のライブハウスにでも、だいたい常設しているRoland “Jazz Chorus”が一段階パワーアップします。
レコーディングでの使用は自由に組み替えられますので、遊び心満載で色々と試しながら使っていました。
ケンタウロスのクローン品というイメージで見てしまい、つい使用方法さえも本家ケンタウロスに縛られてしまいそうですが、実はELECTRO-HARMONIXのSoul Foodは万能なエフェクター。
ですので、どんどん可能性を引き出していければ良いと思っています。
エレクトロハーモニクスのSoul Foodはこんな人におすすめ
スタジオで使ってるアンプの音がなんかハリがないな。
アンプのゲインを上げるとなんか音が細くなるな。
と、お悩みの方は是非一度Soul Foodをお試し頂きたく思います。
歪エフェクターとしてではなく、バッファーとして使用するイメージで使って頂くと良いです。
バッファーとしてとは、セッティング例の所でも書きましたが、一番最初に繋ぎ常にオンの状態で、クリーンブーストとして使うのがベスト。
本家とはやはり音は違いますが、このお値段でこの優秀さは試す価値十分にありです。
デメリットも電源問題ぐらいですし、アンプやギターも選びません。
今回ご紹介させて頂きました「Soul Food」は、皆様のエレクトリック・ギター・ライフのお力添えができると思います。
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