VOX/MV50-ACのレビュー!特徴や使い方を解説

VOX/MV50-ACのレビュー!特徴や使い方を解説

VOX/MV50-ACとは?

2017年に創立60周年を迎えたVOXから新たに登場したMV50シリーズ5種類のうち、VOX AC30のクランチ・サウンドにフォーカスを当てたサウンドが特徴の機種がこちらのVOX MV50-ACです。

50W出力のヘッドアンプであるにも関わらず重量はなんと540g、サイズもペダルエフェクターと同程度の大変コンパクトなヘッドアンプです。

2015年の発表以来、ペダルエフェクターやキーボードなどVOXの様々な製品に搭載されている新真空管Nutubeをプリアンプに搭載しています。小型化とこう寿命を実現し、連続期待寿命はなんと30,000時間だと言われているそうです。

Nutubeの特徴を極限まで活かした結果、高出力でこのサイズ感のヘッドアンプが実現しました。

ペダルタイプのAC30を模倣した機材では満足できない方、AC30のようなサウンドを求める方はもちろん、本家のVOX AC30やその廉価版シリーズをお持ちの方にもおすすめの一品です。

また、ヘッドアンプのみならずラインアウトとヘッドフォンアウトをそれぞれ搭載しているので自宅での練習や宅録での使用にも最適です。

今回はそんなVOX MV50-ACのレビューをしていきます。

目次

VOX/MV50-ACの音質や特徴、ココがすごいなど

特徴1 様々な面で型破りなVOX ACシリーズを受け継ぐヘッドアンプ

イギリスを代表するアンプメーカーの一つであるVOX。その中でも代表的なアンプがAC30です。

1960年ごろに登場したAC30はビートルズなどの1960年代のブリティッシュ・インヴェイジョン期のミュージシャンたちが使用したことにより、またたく間に全世界へとそのサウンドが広まっていきました。

その後もQueenのブライアン・メイ、若き日のエリック・クラプトン、U2のエッジ、Radioheadなどイギリスに限らず、世界中で数え切れないほどのプロやアマチュアで活躍するミュージシャンに愛用されています。

そんな伝統的なロックサウンドを奏でるAC30のクランチ・サウンドを再現したのがVOX MV50-ACです。

VOX AC30には様々な種類がありますが、スタンダードなAC30の再現をしていると思われます。

ACの名を冠した機種は本家VOXからいくつも出ていますが、廉価とはいえAC30と近いサイズ感であるならば、そちらを選ばずにAC30を導入した方がいいなと思うものが多かった印象です。

ヴィンテージの物を選ばなければAC30自体がそこまで高額な機材というわけでもないので他のACの名を冠したアンプを選ぶ方が少なかったように思います。

ですが、こちらのMV50-ACはサウンド、サイズ、値段と色々な面で型破りなヘッドアンプなのです。

その特徴を以下からさらに掘り下げて紹介します。

特徴2 忠実にVOX AC30のサウンドを再現

50Wでの十分な音量を出力できるのでスタジオでのリハーサルやライブでも力負けせず鳴らすことが可能です。

このサイズで50Wのヘッドアンプというのも驚きですが、特筆すべきはその本格的なサウンドです。

このコンパクトな見た目からは想像できないほどの迫力があり、自然でふくよかなドライブ感、ピッキングニュアンスにも素早く反応し、自在にコントロール可能な弾き心地はまさにAC30のような真空管アンプサウンドと言えるでしょう。

演奏のダイナミクス持ち合わせ、程よくコンプレッションがかっているのでリード、バッキング共に気持ちよくドライブサウンドを奏でることができます。こちらのNutubeによってこのようなサウンドを実現しているのであると思われます。

メインの可変式EQはTONEノブ一つのみではありますが、背面にあるFLAT、DEEPの切り替えができるEQスイッチの切り替えで低域と高域の調整ができるのでお好みの質感を使い分けることができます。

様々なAC30を模倣したペダルタイプのエフェクターやプリアンプを試してきましたが、ダントツでこちらのMV50-ACが一番AC30に近いサウンドで、弾いていて気持ちの良い音を奏でてくれました。

VOX AC30を模倣した機材は満足いかない物が多かったのですが、こちらは実機のAC30を持っている方にもオススメ出来る機材です。

特徴3 コンパクトなヘッドアンプ

ヘッドアンプといえば大体のものは代表的な存在であるMarshallのヘッドアンプと同程度か、コンパクトなものでもその半分くらいの大きさです。

本家VOX AC30はキャビネットと一体化しているコンボ型ということもあり、Roland JC-120とほぼ同じ大きさと重量(32kg!)です。しかもAC30にはキャスターが付いていないのでちょっとした移動にも一苦労です。

しかしMV50-ACは手のひらサイズで重量も540gとコンパクトエフェクターとほぼ同じ大きさです。

このサイズでここまでの出力と豊かなサウンドを鳴らしてくれるヘッドアンプは他に類を見ないのではないでしょうか。

特徴4 自主練習、宅録などホームユースにも適した機能を搭載

MV50-ACはラインアウトとヘッドフォンアウトも搭載しているのでミキサーやオーディオインターフェイスに接続すればレコーディング用のアンプとしても使用することが出来ます。

実際にアンプを鳴らしている時の質感やVOX AC30のキャビネットの再現をしたシミュレータ回路も搭載し、プリアンプやマイクなどレコーディング機材のシミュレートも行なっているそうなのでDAW上での様々な設定要らずで瞬時に本格的なサウンドでレコーディングすることが可能です。

手軽に本格的なVOX AC30のサウンドが欲しいのであればDAW用のプラグインではなくこちらを活用した方が良いかもしれません。

VOX/MV50-ACのデメリット

デメリット1 チャンネルがひとつしかない

元々MV50シリーズで機種ごとにサウンドの傾向を分けているので承知した上で検討し、手に入れている方が大多数だとは思いますがチャンネルが一つしかありません。

なので、瞬時に音色の切り替えや真空管アンプのテイストの透き通る様なクリーントーンを大音量で鳴らすのは少し難しいように感じられます。

とはいえ、クランチ気味のクリーントーンくらいであれば充分に鳴らせるのでコンパクトエフェクターと組み合わせて多彩なサウンドメイクを試してみるのが良いでしょう。

デメリット2 EQの調整がTONEと2パターンスイッチのみ

一番の懸念材料なのがこちらの部分なのではないでしょうか。

一般的なアンプであれば調節可能なTREBLE、MIDDLE、BASSの可変式のEQが無く、(VOX AC30にはMIDDLEはありませんが)可変式のEQはTONEノブ一つのみ、背面にFLAT、DEEPの切り替えができるスイッチ一つのみとなっております。

個人的には物足りないと感じたり、逆に耳障りな帯域が出ているとは思いませんでしたが、微調整や積極的な音作りを行いたい場合はイコライジングができるエフェクターや、3バンドのクリーンブースター、歪み系エフェクターなどを駆使して工夫する必要があります。

逆に言えば選択肢が少ない分、音作りに悩む時間がなくなるのでちょっとしたリハやセッションにはこちらの方が良いのかなと思います。音作りに苦手意識のある方や初心者の方にも簡単に良い音が出せるのでそういった面ではおすすめですね。

デメリット3 最低限の機能しかついていない

こちらも承知した上で検討し、手に入れている方が大多数だとは思いますがとてもシンプルなアンプですのでセンドリターンやフットスイッチなどの機能がついていません。

2万円以下というとても安価でコンパクトなヘッドアンプなのでそこまで求めるのは酷かと思いますが、参考として挙げさせて頂きました。

最近では安価で多機能なマルチエフェクターが多数あり、そちらで賄える部分もありますので、どうしても本格的なシステムを構築したいのであればそちらと一緒に活用してみましょう。

VOX/MV50-ACの使い方やセッティング

使い方1 JC-120と組み合わせて手軽に擬似AC30を体験!

スピーカーの大きさやスピーカーの配置、数もVOX AC30にとてもよく似ているJC-120と組み合わせればVOX AC30を弾いている感覚が体験できます。

リハーサルスタジオやライブハウスなどでほぼほぼ常設してあると思いますので簡単かつ気軽に実践できるのもおすすめできるポイントです。

MV50-AC背面のスピーカーアウトからスピーカーケーブルで繋げばすぐに音が出せるのでぜひ試してみてください。

もちろんマーシャルなどの4発キャビネットなどでも音が出せるのでそれぞれの機材の使い方やインピーダンスの設定をきちんと行った上で使用してくださいね。

使い方2 ブリテッシュサウンドを再現可能

様々な設定や機材との組み合わせでブリテッシュサウンドを精密に再現可能です。

ビートルズはもちろん、若き日のエリック・クラプトン、U2のエッジ、Radioheadなどが奏でていた音を設定次第で近づけることが可能です。

GAINを絞れば初期ビートルズで聴かれるような鈴鳴り感のあるクリーンクランチトーン、GAINノブの1時の方向あたりから深くダークにドライブしてくるのでロックなサウンドのバッキングやリードまで音作りが可能です。

真空管アンプなのでギター本体のボリュームにもレスポンス良く反応してくれるので繊細なコントロールも可能です。

また、トレブルブースターを組み合わせればQueenのブライアン・メイを始め、ディープパープルのリッチー・ブラックモア、ブラックサバスのトニー・アイオミ、ロリー・ギャラガーなど数々のギターヒーローが奏でていた唯一無二の音にも近づけられます。

使い方3 擬似イヤモニとしても使用可能

少しイレギュラーな使い方ではありますが、スタジオやライブハウスであまり音量が出せない状況でもっと自分の音を聞きたい場合にヘッドフォンアウトにイヤフォンやヘッドフォンを接続してイヤモニとして使用することも可能です。

自分の音のみですがイヤモニとしてモニタリングすることが可能で、他の楽器の音も少しであれば物理的にカットできるでしょう。

とはいえボリュームノブは一つしかないのでそちらに依存しますし、システム的にも擬似的なものなので使用感は悪しからず。

VOX/MV50-ACと酷似している同価格帯の機材と比較

MV50シリーズの中では一番汎用性が高いように感じました。これを基準にもっと特化したサウンドが欲しい場合に他の機種を検討してみるのが良いのではないでしょうか。

酷似している同価格帯の機材というより、VOX AC30をシミュレートした様々な値段帯のコンパクトエフェクターやプリアンプを試してきましたが、ダントツにMV50の音が一番AC30に近いです。

筆者自身、VOX AC30の導入が難しく、どうすればあのサウンドを鳴らせるのか試行錯誤してきましたが、コンパクトタイプのエフェクターやプリアンプに限って言えばこちらに勝るものはないのではないかと思います。

一万円以下の物や三万円強の物まで国内外問わず、レアな機材も試しましたがもっと早くMV50を導入すればよかったと思っています。

VOX/MV50-ACを実際に使った感想

ロックバンドでライブ、スタジオで使用しましたがツインギターでも音量負けすることなく、音色の評判も良かったです。

先述の通り、サウンドにはとても満足していますし、コストパフォーマンスもばっちりです。

どうしてもアンプのセッティングになってしまうので外に持ち出す際にエフェクトボードなどに比べると少しセッティングに時間がかかってしまいますが、それでも普通のアンプに比べれば圧倒的に簡単に早くセッティング可能です。

VOX/MV50-ACはこんな人におすすめ

VOX AC30を持っていない方やAC30を環境的に導入できないが本格的なAC30サウンドを求めている方はもちろん、その手軽な取り回しからAC30を持っている方にもおすすめです。

アンプを持ったことのない方にも勉強の意味で一度導入を検討してみても良いかもしれませんね。

VOX/MV50-ACのレビュー!特徴や使い方を解説

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