この記事ではBOSSから出ているVB-2/VB-2Wのレビューと使い方を解説。どんな特徴があって音作りのコツはどのようにすればよいのでしょうか。
VB-2からVB-2Wへの遷移についても解説しています。
BOSS/VB-2とは?
「ご使用をお断りする場合もあります。ーBOSS」と、BOSSのコンパクトエフェクターの中で最も有名なキャッチコピーがついて発売された「VB-2」は、名機「CE-1」のビブラート部分だけを抜き出したエフェクターと言われています。
しかし明らかに効果はハンド・ビブラートとは違います。
その音質はリングモジュレーターのような感じでもありますし、原音にまとわりつくような個性的なサウンドです。
キャッチコピーが裏目に出てしまったのかは定かではありませんが、売り上げは伸びず発売から僅か4年で生産終了となってしまいます。
ですが、人気ギタリストの「布袋寅奏」さんがVB-2を使用したことから再認識されファンの方々が買い漁り始めました。製造期間が短いこともあり入手困難なレア物として、現在も中古市場を賑やかせています。
BOSS/VB-2Wとは?
再び注目を浴びだしたVB-2は数十年の時を経て、2016年にBOSSが誇る自社モディファイ「技 WAZA CRAFT」シリーズから復刻されました。
オリジナルのサウンドを再現する「スタンダードモード」に加え、より特徴ある揺れを表現できる「カスタムモード」を搭載。
外部ペダルの入力ジャックに「BYPASS」モードのオン/オフの追加などの変更が追加されています。
BOSS/VB-2Wのスペック
商品名 | VB-2W |
メーカー | BOSS |
概要 | ビブラート |
特徴 | 言葉にできない奇妙な揺れ |
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BOSS/VB-2wのコントロール部
- ■MODE(3つのモードがあります)
-
- LATCH
- 踏むたびにオンとオフが切り替わります。
- BYPASS
- 事実上LATCHモードと同じ仕様です。
- UNLATCH
- 踏んでいる間だけエフェクトオンで離すとオフです。
- LATCH
- ■ RISE TIME
-
ビブラートのかかり始めと終わりを自然にする調整ができます。
- ■ DEPTH
-
揺れのかかりの深さを調整できます。
- ■ RATE
-
揺れの速さを調整できます。
- ■ STANDARD
-
2点切り替えの横スイッチが付いています。
Sの方でSTANDARDでオリジナルのVB-2の再現モードです。
- ■ CUSTOM
-
Cの方でCUSTOMモードです。こちらはVB-2wより追加された、新らしいエグい揺れとなります。
BOSS/VB-2wの特徴
特徴1 STANDARD/CUSTOM
オリジナルの物との最大の違いは「技 WAZA CRAFT」シリーズではお馴染みの2点切り替えスイッチです。
ノイズ対策や音痩せ対策で回路の部品が変わっているのですから当たり前ですよね。
簡単にモードの違いを表現いたしますと
- STANDARDはおとなしめ
- CUSTOMは激しめ
というところでしょうか。
特徴2 BYPASSモードの変更
オリジナルのVB-2はモードでBYPASSを選択していますと音が出ない仕様になっています。
それは「LATCH MODE」や「UNLATCH MODE」を選択している場合には、エフェクトがかかっていない状態でも原音は常に「BBD」回路を通過して待機の状態にありスルー音に影響が出るからです。
オリジナルのVB-2はビブラート音を使わない場合、スルー音を大切にするならば「BYPASS MODE」にしておく必要がありました。
この使い勝手の悪さをVB-2wでは改善しています。
ラッチモードと同じように踏み込めば足を離してもオンの状態が続き、もう一度踏めばオフです。
スムーズなかかりを望むならばラッチモードで、スルー音を大切にしたいのであればバイパスモードで、と選択肢が増えています。
特徴3 エクスプレッションペダル
外部から「エクスプレッションペダル」が入力できるようになっています。
つなぐことによってデプスのコントロールが足元でできます。
ライブ演奏中にリアルタイムで音色を変えれるので表現方法が増えます。
特徴4 ノブのこだわり
これは全く音の方には関係ないのですが、VB-2wについているコントロールノブは、BOSSのビンテージのエフェクターに付いている細いタイプの黒ノブです。
BOSS/VB-2wのデメリット
デメリット1 ノイズの件
バンドの演奏で他の楽器と一緒でしたら全く気になるものではありませんが、歪みと併用しているときにボリューム絞って音量を落とさなくては場面などにはノイズがのってしまいます。
ですが簡単に対処はできます。
アンラッチモードで使用してそんな場面が訪れたら足を離せば良いだけです。
BOSS/VB-2wの使い方や音作りのコツ
使い方1 アンラッチモードを極める
今となっては、そんなに珍しくもない機能かも知れませんが、オリジナルのVB-2の発売当時は画期的な機能だったはずの「UNLATCH」モードですが、本当にVB-2wの良さが出せる機能だなと思います。
この機能があるからこそ、BOSS/VB-2wを使うとというギタリストも多いのではないでしょうか。
踏んでる間だけオンになるわけですが、飛び出してくるのがVB-2wの個性的な音ですから曲のどこに盛り込むかがセンスの問われるところですよね。
せっかくですから極めて他の人が思いつかないような使い方をしたいものです。
使い方2 コーラスとは違う雰囲気に
VB-2wをつないで初めてオンにした時にほとんどの方が「聞いたことのない変な音だな。」と思うのではないでしょうか。
「これは飛び道具だね。」とも思われる事でしょう。
しかしこの第一印象の「変な音」というのがVB-2wの最高の個性です。
ディレイやリバーブなどの空間系との相性も良いですのでコーラスとは全く違う深い空間が作れそうです。
余談ではありますがモード切替のツマミを各モードの途中で止めますと「ストラトキャスターのハーフトーンのイメージ」。
変なノイズ発振音が出ます。
アンプやエフェクターのためにはならないかも知れませんので小ネタ程度にお思いください。
使い方3 エクスプレッションペダル使用での可能性
VB-2wを色々と試していますと「コーラス的にも使用して飛び道具としても使用したい。」という欲求にかられます。
モジュレーション系はVB-2wだけに絞り持っている可能性を試したくなりますし、その期待に応えてくれそうなエフェクターではあります。
BOSS/VB-2wと似ている機材と比較
BEHRINGER UV300 ULTRA VIBRATOと比較
同価格帯ではありませんがVB-2のクローンとして激安エフェクターでお馴染みの「BEHRINGER UV300 ULTRA VIBRATO」があります。
こちら4000円弱のお値段となっています。
「この値段であれば」と目をつぶる事もできますが、気になるレベルのノイズが出ます。
バラードなどの曲で使わない場合はBYPASSモードにしておく必要があり、ライブでの使用となりますとひと手間かかります。
気になるレベルのノイズですのでライブやレコーディングではあまりお勧めできません。
自宅やスタジオでしかひかないエンジョイ勢ならばBEHRINGER UV300 ULTRA VIBRATOで妥協できそうです。
BOSS/VB-2wを実際に使った感想
「技 WAZA CRAFT」シリーズは平均二万円前後。
通常のBOSSのコンパクトエフェクターよりお値段高め設定ですし、オリジナルのVB-2はプレミアがついて手が届かない物みたいになってしまい、中々試奏の機会に恵まれませんでした。
ビンテージのCE-1は友人が所有していますので、何となくビブラートの効果は想像できていましたが、使ってみますと感じたことのない奇妙な揺れを体感できました。
オリジナルの方は接続にひと手間かけるべき部分がありましたが、VB-2wはストレスなく使っていけるので改めて「技 WAZA CRAFT」は間違いない物を提供してくれるのだなと思いました。
BOSS/VB-2wはこんな人におすすめ
■ BOØWYの大ファンである。
■ ありきたりのモジュレーション系に飽きてきている。
■ 何か新しい音を探している。
数あるモジュレーション系の中でも異色のトーンと揺れを放つ「VB-2w」です。
一聴しますと、使いどころに困る「変な音」だと思ってしまいますが、知らぬ間に固定観念に縛らている考え方を解放するために、ジャンルを問わず様々な曲調にマッチングさせることを一度試していただきたいエフェクターです。
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