MAXON/AD10 Analog Delayのレビュー!使い方や音作りのコツ

MAXON/AD10 Analog Delayのレビュー!使い方や音作りのコツ

MAXON/AD10とは?

2012年に発売された「MAXON AD10」はすでに名機の仲間入りを果たしているアナログ・ディレイです。扱いやすくわかりやすいコントロールとアナログならではの「温かみ」のある音は、デジタル化最前線のコンパクト・エフェクター界でも色あせることなく求められているサウンドです。

目次

MAXON/AD10 Analog Delayのスペック

商品名AD-10
メーカーMAXON
概要アナログ・ディレイ
ディレイ・タイム
短い
長い
操作
簡単
難しい
音質設定
ザックリ
繊細
汎用性
じゃじゃ馬
何でも
コスパ
低い
高い
おすすめ度
微妙
おすすめ
  • 簡単操作
  • アナログにしてはクリアなサウンド
  • 600msのディレイ・タイム
  • コスパ良し

MAXON/AD10 Analog Delayの音質や特徴

特徴1 コントロール部

■ REPEAT
ディレイ音の帰ってくる回数を調整できます。
■ BLEND
原音とエフェクト音のバランスを調整できます。
■ DELAY
ディレイの深さを調整できます。

特徴2 長めのディレイ・タイム

アナログにしては長めの「600ms」にタイムが設定されています。楽曲に「長いディレイ・タイム」を駆使して色々なサウンドを取り込まないなら、これぐらいのタイムで十分でしょう。

特徴3 自社製のBBD素子を使用

マクソンのディレイの音の秘密のひとつに「自社製のBBD素子」があります。これは「Bucket Brigade Device」という電子部品の略語で、日本語では「バケツリレー素子」と呼ばれています。日本語訳を聞くと何となく効果の想像がつきますが、アナログ信号をアナログ信号のままバケツリレーのように順々に渡していくような回路です。

つまり、渡す時間を遅らせたり早めたりでディレイ効果が生まれるのです。他社は外注のBBDを使っていますが、マクソンは自社でBBD素子を制作してディレイやコーラスに搭載しています。

特徴4 アナログなのだけどクリア

AD10の魅力はこれに尽きます。一巡してアナログ・ディレイの時代がまたやってきましたが、元のビンテージ・サウンドのままではなく使いやすく現代でも通用するサウンドです。

MAXON/AD10 Analog Delayのデメリット

デメリット1 レンジが狭い

デジタル派から言わせると「音の輪郭がぼやける」や「レンジが狭い」などデメリットだらけになってしまいますが、アナログ・ディレイとはそういうエフェクターです。

使い分けの基準は
楽曲にディレイ・サウンド「例えばU2ディレイなど」を使いたいのならば「デジタル・ディレイ」を使い。
ギター・サウンドの隠し味的な使い方で良いならば「アナログ・ディレイ」を使う。でしょうか。

MAXON/AD10 Analog Delayの使い方や音作りのコツ

使い方1 発振させてのノイズ

ツマミを全てフルにしますと発振し始めます。後はDELAYのノブを左右に回せば「スペイシーなノイズ」を操作できます。かなりインパクトがあるサウンドですので使いどころは多いと思います。ツマミを全てゼロにするかエフェクターをオフにすれば発振は止まります。

使い方2 コーラス的な使い方

DAWで使うテクニックで、ディレイ音のピッチを揺らす事でコーラスと似た効果を得られる「モジュレーション・ディレイ」というものがあります。

セッティングをザックリ言いますと
▪ ディレイタイム=20~40msec
▪ フィードバック=少々
▪ ミックス=原音70% ディレイ音30%
ぐらいで作っていくのですが

AD10で応用する場合は
▪ REPEAT=10時あたり
▪ BLEND=9時あたり
▪ DELAY=8時あたり
ぐらいでしょうか。
クリーン・サウンドで弾くアルペジオはもちろん、クランチのカッティングにもよく合います。

MAXON/AD9との違い

アイバニーズTS-9と同じ筐体で作られた「MAXON AD9」は既にビンテージの域に到達している「アナログ・ディレイ」です。中域がよく抜けて高域のエッジは丸くとれた音が特徴です。ギター単体ですと低域がほとんど出てこないために迫力がないように思えますが、バンドのアンサンブルの中ではよく馴染んで凄くよい感じです。ディレイ・タイムは”300ms”とかなり短めですが、AD9が気になっている方はアナログ感を求めているでしょうから問題ないでしょう。低域が出ていない割にモコモコした音の印象のAD9に対してAD10は明るく派手になった感じですね。

MAXON/AD999との違い

大きな筐体が「弁当箱」と呼ばれていた「MAXON AD999」は「900ms」のロング・ディレイ・タイムが特徴です。AD999が進化した最新型がAD10なのですが、音質が引き継がれているのは音を聞けば分かります。違いは「残響音」が劣化していくのがAD999の方が少し早く「少し古臭い」感じがします。テープ・エコーの劣化に似ていますので古い感じがしてしまうのでしょうか。ですから、より古いアナログ感と長いディレイ・タイムが欲しければ「AD999」を。そんなに長いディレイ・タイムは必要なくて音はクリアな方が良いならば「AD10」を選びましょう。

MAXON/AD10 Analog Delayと似ている機材と比較

MXR Carbon Copyとの比較

ネットで高評価を得ている「MXR Carbon Copy」が同価格帯です。音質の特徴は高域がかなり削られ俗にいう「アナログらしさ」が強調されているサウンドです。昔ながらの残響音が少し歪む感じですが、決して派手な印象を受ける音ではありません。「MOD」なるボタンが付いていて、押すと”キラキラ感”が増してコーラスのようにも使えます。これに対し「アナログのこもった感じよりクリアなサウンドがいいのだけどデジタルは嫌だ」という方にはAD10をお勧めします。

BOSS DM-2wとの比較

世界初のコンパクト・サイズのディレイ「BOSS DM-2」はすでに廃盤となっていますが、昨今のアナログ・ディレイ人気に伴い、BOSSの自社モディファイ「技クラフト・シリーズ」でよみがえりました。基本の音はそのままに、技クラフト共通の「SモードとCモード」が搭載されています。スタンダードの「S」とカスタムの「C」の略ですが、モード別にディレイ・タイムが設定されています。Sモードは昔ながらの「300ms」Cモードは「800ms」と伸びています。

使いわけの基準ですが、Sモードは「アルペジオ」や「クリーン・トーンの単音弾き」に向いています。
Cモードは歪ませての「派手なカッティング」や「ロング・ディレイにしてソロにかける」が向いています。
エクスプレッションペダルを接続しますと「RATE」がペダルでコントロールできますので、アナログ・ディレイの必殺技「発振」が足でコントロールできてしまいます。

DM-2wは肩書上は「DM-2の完全再現」のようになっていますが、回路も変更されていますので同じではありません。アナログらしさは薄れましたが、綺麗に残る残響音はAD10より派手に聞こえます。音の鮮明さやバンドのアンサンブルに馴染むのはAD10の方が優れているように思えます。発振はDM-2wの方が断然派手ですね。ブライトで残響音がいい感じで減衰してくれるのがAD10。派手な発振と最後まで綺麗に聞こえる残響音がDM-2w。これが、2つの大まかな特徴の違いでしょうか。

MAXON/AD10 Analog Delayを使った感想

ほとんどのメーカーがアナログ・ディレイの制作をやめていく中、マクソンだけは昔ながらの回路を自社で製作進化させながらクオリティを高めてきました。これだけでも「AD10が優れているディレイ」だと言える理由になります。

ディレイ・タイムを上げていくとエフェクト音が劣化してしまうのが、アナログ・ディレイの味のように思われていましたが「もうそんな時代は終わった」とAD10が言っているように思えました。基本コーラス風にしておいて、曲によってタイムを長めにしてリバーブ風に使うのが気にいっています。

MAXON/AD10 Analog Delayはこんな人におすすめ

■ デジタル・ディレイしか使った事がない。
■ MXR Carbon Copyを試奏したがイマイチだと思った。
■ マクソンのエフェクターは信頼している。

一時はBBD枯渇やデジタル・ディレイの登場などで衰退していたアナログ・ディレイですが、有名ギタリスト達がビンテージのアナログ・ディレイを使用したために完全復活を遂げました。そうなってきますと各社競って新製品のアナログ・ディレイを再生産したいわけですが、心臓部分の回路のBBDがもう作られていませんでした。そんな中、自社でBBDをずっと作り続けアナログ・ディレイをリリースし続けていたマクソンが優勢なのは製品を使えばわかります。AD999~AD9~AD10と進化させてきた技術は信頼できる良い音を生み出しています。

MAXON/AD10 Analog Delayのレビュー!使い方や音作りのコツ

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