MAXON/D&Sのレビュー!OD-801やD&S IIとの違いは?

MAXON/D&Sとは?

D&Sは1974年に日本のエフェクターメーカーであるMAXON(マクソン)から発売された『歪み系』のエフェクターです。

D&Sとは、Distortion&Sustainerのことで、その名の通り強烈な歪みとロング・サスティーンは、当時のギタリストに大きな衝撃を与えました。

発売当時のカタログでは「ファズとは全く異なる新しいトーンを作るディストーション&サスティナー」と記載されていることから、それまでのジージー、ピーピーといったノイジーなファズサウンドとは一線を画した開発意図を伺うことができます。

まさに、ジャパン・ヴィンテージの伝説的なエフェクターが、70年代のフォルムをそのままに復刻版として発売されています。

目次

MAXON/D&Sを使用しているアーティスト

D&S発売当時は、ほとんどのプレイヤーがMXRの『DISTORTIN+』を使用していました。

そんな中で、1980年代の某ギター雑誌のインタヴューで、バウワウの山本恭司さんが、「なかなか良いファズだ」と褒めていたのを覚えています。

雑誌のサウンドセッティング記事だったので、実際に山本恭司さんが愛用していたわけではありませんが、当時のトップギタリストも、その実力を認めたということです。

MAXON/D&Sの音質や特徴

特徴1 日本のファズのイメージを変えた

日本のヴィンテージなファズは、ピーピー、ガーガーと扱いにくいものでした。

D&Sもファズに近い音と言われますが、ヴィンテージファズよりはノイジーさが抑えられていて、かなり扱いやすくなっています。

それでも、現在の製品と比較すると、トーンコントロールがかなりの高音域まで効くように設計されてるので、全開にすると耳にキンキンきます。

このあたりに、ファズとしての名残を感じます。

特徴2 中古でも値崩れしない

私がエレキギターを手にして最初に買ったエフェクターが、D&SとCompanderでした。

当時の価格で、それぞれ6~7千円くらいだったと思います。

この記事を書くにあたり、懐かしくなって中古価格を調べたところ、初期のD&Sは約1万円という価格で販売されていました。

復刻版を新品で探しても、ほぼ同じ価格(税込み:サウンドハウス調べ)です。

中古でも新品でも価格が変わらないとは、D&Sには不動の価値があるということですね。

MAXON/D&Sのデメリット

デメリット1 MXRを意識しすぎ

初期のD&Sは、当時のギタリストがあこがれていたMXRの外観を意識したデザインとなっていました。

そのコンパクトさを真似たために、つまみ類とフットスイッチが同じ高さになってしまい、スイッチを踏み込むとつまみを動かしてしまうというトラブルが頻発しました。

又、スイッチが小さく安定性に欠けるので、足の真ん中でキチンと踏まないと、本体が動いたり転がったりという不具合も経験しました。

デメリット2 初期型はLEDがない

初期型のD&SはLEDインジケーターがなかったので、エフェクトがオンなのかオフなのかを音を出して確認しなければなりませんでした。

(昭和中期頃のロックは、現在のようにカッチリとした構成ではなかったので、曲の途中で不要な音を出しても大して影響はありませんでしたが・・)

そのため、ケースに穴を開け接着剤でLEDを固定し、フットスイッチを6Pに変更してインジケーターを取り付ける改造をしているプレイヤーもいました。

デメリット3 電源が不便

初期型のMAXON製品は、バッテリーホルダーや電池蓋がなかったので、ボディ底面の4つのネジを外して、裏蓋を外さなければ、電池交換ができませんでした。

そのため、ギターケースの中にプラスドライバーを常備しておくという不便さもあったのです。

更に、DCアダプタージャックもなく、バッテリーしか使用できなかったため、エフェクターボードに固定もできませんでした。

そのため、私はD&S本体のケースにドリルで穴を開け、006Pホルダーを中に入れ、外側にDCジャックを取り付ける改造をした覚えがあります。

MAXON/D&Sの種類を比較

MAXON/D&S IIとの違い

D&Sの後継機のようなネーミングのD&SⅡですが、そのサウンドは全く違います。

D&Sはファズっぽい荒々しいサウンドですが、D&SⅡはオーバードライブ的なディストーションサウンドになっています。

それもそのはず!

内部の回路が、まったく違うのです。

D&Sはトランジスタ仕様のヴィンテージな回路なのですが、D&SⅡはオペアンプ(MC1458P)が1つ、コンデンサーや抵抗が数本という簡単な構造なのです。

このように、D&Sと比較して、D&SⅡの部品点数はかなり少なくなっているので、両者の回路を比較すると、まるで別物なことが分かります。

D&Sがビッグマフに近い回路なのに対して、D&SⅡの回路はMXRの『DISTORTIN+』に近い回路になっています。

ですから、なぜMAXONがD&SⅡに『D&S』という名前をつけたのかという意図が、よくわかりません。

D&SとOD-801との違い

D&SとOD-801の外観は全くと言っていいほど異なります。

D&Sのデメリットであったフットスイッチも、一段高くして手前に角度を付けることで格段に扱いやすくなっています。

更に、丸くて小さい機械式のプッシュスイッチから、四角くて踏みやすい電子スイッチに変更されたことで、操作性だけでなく、クリックノイズ対策の面でも進化しているのです。

又、LEDインジケーターも装備されているので、暗いステージ上でもオン/オフが一目瞭然です。

電池交換も底面に電池交換用の蓋をつけて、ドライバーがなくても手軽に交換できるように工夫されています。

ケース自体も大きくなり、安定性も増しました。

もはやD&Sとは別物といった感じのOD-801ですが、内部の回路はD&Sに近い物になっています。

D&SⅡがオペアンプを使っているのに対して、OD-801はD&Sと同様にトランジスタを使っています。

ですから、D&Sに近い音が出る製品は、D&SⅡよりもOD-801であると言えます。

とはいえ、D&Sはファズに近く、OD-801の方がオーバードライブに近いので、扱いやすさや好みが分かれると思います。

個人的には、D&Sの方がヌケの良い太い音がでるので好きです。

OD-801はTONEを上げると、ジリジリとした音域が上がり、耳障りな音で好きではありません。

MAXON/D&Sの使い方やセッティング、音作りのコツ

D&Sは、本来ギター用エフェクターなのですが、ブリブリとした太い音がでるので、私はベースに使っています。

プレベに他社のディストーションをかけると、パコパコした音になりがちで好きではないのですが、D&Sをかけるとジリジリとしたファズサウンドが出つつも艶っぽい太いベース音になるので手放せません。

ですから、私の場合は、ギターではなくベース用エフェクターケースに入れて持ち歩くことが多いです。

個人的に好みのセッティングは、DISTORTINとTONEを12時方向にすると良い感じになると思います。

D&Sと似ている同価格帯の機材と比較

D&Sの初期モデルは、左側の歪みをコントロールするツマミがDistortionではなくSUSTAIN.Tという表記になっています。

発売当初は、「歪み」よりもSUSTAIN TIMEという意味の表記だったのでしょう。

このような表記は、ファズの名機として有名な初期のビッグマフと同じです。

ビッグマフも「VOLUME」「TONE」「SUSTAIN」という表記なので、それを意識したのかもしれません。 

又、内部の回路構成もトランジスタが4個とシンプルな回路で、これもビッグマフに近い設計です。

ネットでも、「D&Sはアーミーグリーン(ロシア時代の2ndモデル)のビッグマフに近い」という口コミを、よく見かけます。

MAXON/D&Sを使った感想

D&Sが発売された当時は、しっかりと歪む国産アンプがありませんでした。

私が最初に買ったYAMAHAのFシリーズというギターアンプは、DISTORTIONと書かれているつまみを全開にしても、全く歪まないアンプでした。

その後、グヤトーンから国産の真空管アンプが販売され、かなり期待したのですが、こちらもシングルコイルのストラトでは全く歯が立ちませんでした。

当時は、ハイゲインアンプの時代ではなかったのかもしれません。

そのような時代に販売が開始されたD&Sは、当時のようなクリーンサウンドのアンプとの相性が良いようです。

逆に、マーシャルの歪ませたセッティングでは、音が潰れてアタック感がなくなってしまいます。

個人的には、クリーンな音が出せるJC-120がベストな組み合わせだと思います。

次に、使用するギターについては、シングルコイルのギターよりは、レスポールのように太い音が出るハムバッキングピックアップの楽器と相性が良いと思います。

私が最初に買ったエフェクターがD&Sだったのですが、ストラトとの相性はあまりよくありませんでした。

特に、私が使っていた安い国産のストラトでは、リアピックアップで使用するとキンキンした耳障りな音になりやすく、リアピックアップに合わせてアンプを調整すると、フロントピックアップに切り替えた時にヌケが悪くなり、かなり苦労した思い出があります。

その点、レスポールだと国産の安物でも、それなりにまとまった音で鳴ってくれたので、扱いやすかったですね。

MAXON/D&Sはこんな人におすすめ

1970年代の音がします。

ライトな歪みからハードなファズサウンドまで、幅広いサウンドづくりができるオールラウンドな一台ですが、ヘビメタよりは、アメリカンロックやハードロックといったジャンルのプレイヤーに向いています。

又、TONEの効き方も絶妙で、絞ってもモコモコしない存在感がある音を出すことができます。

具体的なイメージとしては、プログレバンドの大御所、ピンク・フロイドのデビッド・ギルモア氏のようなサウンドです。

このような丸くてコシがあるサウンドは、本家のビッグマフには出せません。

それを使いこなすセンスがある人には、断然におすすめのファズです。

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