ヌーノベッテンコート/ギターの使用機材と音作りや奏法について解説

ヌーノベッテンコートを一言で表すなら天性のリズムセンスを持つスーパーギタリストと言えます。

この記事ではそんなヌーノベッテンコートのギターの使用機材と音作りについて解説していきます。

目次

ヌーノベッテンコートとは?

ファンク・メタルというジャンルを作り出したボストン発のバンド「エクストリーム」のギタリストにして、ソロでも活躍しているヌーノ・ベッテンコートはポルトガルのアゾレス諸島の出身。
ギタリストとしての印象が強いヌーノですが、一番最初に興味を示した楽器はドラムで、その後にベース、次にギターという意外な楽器遍歴を持っています。
天性のリズム感とギターヒーロー的な高度なテクニックを持ったスーパーギタリストは多くのギタリストから影響を受け、自身も世界中のギタリストに影響を及ぼしています。

ヌーノベッテンコートが影響を受けたギタリスト

一番影響を受けたギタリストはヴァン・ヘイレンだと公言しています。
特にリズム面では相当影響を受けたようです。
また、ファンクという要素ではプリンスからの影響が強いです。
その他にもジョージ・リンチやイングウェイ・マルムスティーン、ジミー・ペイジなどの有名ギタリスト、さらにはクイーンやニール・ショーン、アース・ウィンド&ファイアなど幅広い音楽から影響を受けています。
ヌーノの現在のプレイスタイルはこのように幅広い音楽を聞くことが原点となっています。

ヌーノベッテンコートの使用ギター

N4

多くのギターを所持していますが、メインで使用しているのがWashburnのN4。
Washburmとエンドース契約をし、ヌーノ自身が満足することができたストラトキャスターベースのギターです。
リアピックアップにはビルローレンスのL-500が搭載されていて、このピックアップはヌーノのお気に入りのピックアップです。
安いギターを買って弾いてみたら、当時所有していたギターより良い音がして、そのギターに搭載されていたのがビルローレンスのピックアップだったそう。
運命的に巡り合ったビルローレンスのピックアップは以降、ヌーノのお気に入りになりました。
また、N4のもう一つの特徴が「Stephen’s Exten-ded Cutaway」というギターのボディとネックのジョイント部の形状です。
ギター裏のジョイント部分が大きく円形に削られていて、ハイポジションを弾きやすい形状になっています。
この形状のおかげでギターを低い位置に構えてもテクニカルな奏法をすることが可能となっています。
コントロールノブはボリュームノブ1つだけで、ブリッジはフロイドローズ、ピックアップセレクターはフロントピックアップの下辺りに設計されています。

Nシリーズ

N4シリーズはヌーノの求めていたギターの完成形ですが、他にもN1〜N6まであり、N4がベースとなったダブルネック・ギターはN4が2つということでN8と名付けられています。
N1は当時ヌーノが持っていたノコギリでボディを削られたJacksonのギターです。
身長に合わせてヌーノ自身が削ったとも言われていますが、実際は友人が削ったそうです。
そこから、初来日のときに使用していたSCHCTERのギターがN2、Washburnとエンドース契約して一番最初に設計したN3とどんどん進化を遂げていきます。
N5とN6はN4とほぼ同スペックのタイプで、ピックアップがシングルピックアップ3基のものがN5、SSH仕様のものがN6と命名されています。

P4

ソロプロジェクトを初めて初来日した際にヌーノはExtreme時代に使用していたストラトタイプのNシリーズではなく、レスポールベースのギターを持ってステージに上がりました。それがP4です。
搭載されているピックアップは愛用していたビルローレンスのL-500 ではなくSaymour Duncanの’59 SH-1が搭載されています。
また、ボディも「Stephen’s Exten-ded Cutaway」ではなく、セットネック・ジョイントになっていますが、ハイポジションの弾きやすさの追求のためヒールレス加工になっています。
コントロールノブもワンボリューム・ワントーンの2つで、ピックアップセレクターもレスポールと同じ位置で設計されています。
Nシリーズよりも重量が増して、ファットでモダンなサウンドになっています。
ソロワークを始めたこともあり、エクストリーム時代とは違ったアプローチを企んだため使用し始めたのではないでしょうか。

アコースティックギター

エクストリームが有名になるきっかけとなった「More Than Words」ではアコースティックギターを使用しています。
所持しているアコギはほとんどがWashburnのもので、カッタウェイの部分が尖っている形状が特徴的です。

ヌーノベッテンコートの使用エフェクターと音作り

BOSSのマルチエフェクター


メインで使用しているエフェクターはBOSSのマルチエフェクターで主に空間系やモジュレーション系をかけるときに使用しています。
歪に関しては基本的にアンプつくっています。

最近では自身でエフェクターを操作することは最低限で、基本的には裏方のギター・テクと呼ばれているサポートの方が曲に合わせて操作しています。

BOSS ME-5

ヌーノはエフェクトを多用するギタリストではなく、ピンポイントで効果的に使うギタリストです。
ライブ中でよく耳にするのがME-5を使用したジェットフランジャーです。
「Plat with Me」のAメロ前や「Kid Ego」を始める前のフィードバックなどで使用しています。

BOSS GT-8

現在はME-5ではなく、同じBOSSのマルチエフェクターGT-8を使用しています。

その他の使用エフェクター

ヌーノベッテンコートの使用アンプ

Extreme時代に使用していたアンプヘッドは「Marshall JCM-800」でしたが、ソロになってからは「Hughes & Kettner Triamp」も使用しています。キャビネットは一貫してMarshallのものを使用していました。
ですが、2012年に自身のシグネイチャーモデルのアンプヘッド「NB KING 100」とキャビネット「NB 412」が発売され、今までのアンプに代わって、それらを使用するようになりました。
このシグネイチャーモデルはRandall社とヌーノの共同開発ですが、実際はヌーノが企画・デザインをしてRandallが販売するというヌーノのこだわりが大きく反映された仕上がりになっています。
左側半分にロゴを配置し、コントロール類は右半分に集約されるという独特なデザインのため、遠くから見てもヌーノのシグネイチャーモデルと視認することができます。
サウンドはオールドなマーシャルのハイゲインさときらびやかなクリーントーンが両立したサウンドになっています。
歪を深くしたハイゲインサウンドが持ち味のヌーノの意向が大きく反映されたサウンドに仕上がっています。

ヌーノベッテンコートの使用ピック

使用ピックもデビューから何回か変わっていますが、一貫してティアドロップタイプのピックを使用しています。
現在はGrover Allman社の「Celluloid Series」の厚さ0.81mmのピックを使用しています。

ヌーノベッテンコートの音作り

ヌーノの音作りはハイとローを強調したドンシャリサウンドが特徴的です。
そのためミュート時にはザクザクとしたサウンドとなり、リズムが強調されます。
この音作りはヌーノが熱心に聞き込み、コピーしたエディ・ヴァンヘイレンの影響ではないでしょうか。
また、ヌーノは足下がシンプルで、エフェクトも必要最低限しか使用しません。
このことに関して、ギター・テクの方は
「ヌーノはすべての音をエフェクターではなく、手で音を作るんだ。」
と言っています。

ヌーノベッテンコートの奏法

天性のリズム感

ヌーノのプレイと言えば、必ずと言って良いほどリズム感がずば抜けていると言われます。
このリズム感の由来ですが、ヌーノが1番最初に触れた楽器がドラムだったことを挙げることができます。
ヌーノのプレイを聞くと強調したいところとそうでないところのメリハリが強いと感じることができます。
強調したいところはギターを弾くと言うより叩いているのではないかと思います。
リフを引くときもただフレットをなぞるだけでなく、低音弦をミュートするときに強めに弦を叩いて「ズンッ!」という音を出してリズムを強調しています。
このようにギタープレイに自然にパーカッシブな要素をいれてしまうところはドラム経験者ならではだと思います。
また、ヌーノはエディ・ヴァンヘイレンを好んで聞いていて、エディの曲はすべてコピーし、テクニックはもちろんだが、リズムについて一番影響を受けたと言っています。
エディと言えばライトハンド奏法やアーミングが有名なギタリストですが、そんなエディも一番最初に触れた楽器がドラムでした。
天才ギタリスト・ヌーノの天性のリズム感の原点にはドラムが関係しているのは間違い無いでしょう。

スキッピング奏法

ヌーノが高校生の頃はイングウェイ・マルムスティーンやジョージ・リンチなどの所謂「ギターヒーロー」が世の中にでてきた時代でした。ヌーノも彼らのプレイに刺激を受けて授業をサボってギターを練習する日々を送っていたみたいです。
そのため、速弾きやタッピングなどのテクニカルなフレーズを弾くことができますが、スキッピング奏法を楽曲によく取り入れています。
「Pornografitti」や「It(‘s a Monster)」では6連符でスキッピング奏法をするという高度なプレイをしています。

ヌーノベッテンコートの魅力的なところ

ミュージシャンとして

ヌーノが弾くギターソロは多くのギタリストを魅了してやまないプレイですが、ヌーノは他のギターヒーロー達と比べて、そこまでギターソロに固執していないようです。
インタビューでギタープレイについて尋ねられてもギターソロだけでなく、リフや曲の魅せ方、バンドアンサンブルなど「曲」全体についてのこだわりを答えています。
とあるライブではドラムのマイク・マンジーニが圧巻のドラムソロを叩いたことがあって、そのときヌーノは
「マイクがあれだけの事をやれば、ギターソロで凄い事を演る必要はないね。」
と語っています。
また、ギタープレイだけでなく、作曲・作詞にも強い情熱を注いでいます。
エクストリームのときはボーカルのゲイリーがほとんどの曲の作詞をしていて、
ヌーノがソロワークを始めた大きな理由の一つが自分で作詞をしたかったからと語っています。
作詞のこだわりとしては、思った事をそのまま文字に起こすのではなく、アートと言うことができる次元まで昇華させることを大事にしているとのことです。
文字とメロディー、さらにはストーリー性や主張などのありとあらゆる要素を組み合わせて作詞しているとのことです。

コーラスワーク

エクストリームの楽曲ではメインボーカルのゲイリーだけでなく、ヌーノとベースのパットもマイクを使用します。
時にはゲイリーが観客を煽るために歌うことを放棄する場面がありますが、その時にはヌーノがメインのボーカルパートを歌うこともあります。
「Play With Me」では遊び心があるコーラスワークをして、アコースティックナンバーの「More Then Words」では、
歌を聞かせるコーラスをしています。
元々メンバー全員がクイーンのファンでもあることからコーラスワークにも力を入れていることを伺えます。
ソロ活動ではヌーノ自らがメインボーカルを務め、エクストリーム時代よりもマイクの前に立つ頻度があがりました。
メインで歌うことになるソロプロジェクトについてヌーノは
「唯一の欠点は僕が歌うってことだよね(苦笑)。」
と答えています。
どうやらヌーノは自身の歌声が好きでは無いようです。
ではなぜ歌うことになるソロプロジェクトを始めたのかと言うと、歌うことが好きであることはもちろん、
良い声ではなくても感情を表現することはできるからと答えています。
綺麗な声で優美に歌い上げるシンガーもいれば、声は良くなくても情熱的で気持ちがこもったシンガーもいる。
ヌーノは後者のシンガーのファンであり、何より自分の書いた歌詞を自分の方法で歌いたいというミュージシャンとして一番大事な気持ちを持ったミュージシャンです。

ヌーノベッテンコートの参加楽曲

エクストリームや自身のソロプロジェクト以外に著名人の楽曲にもギタリストとして参加しています。

リアーナ

2009年から世界的に有名なR&Bシンガーのリアーナのギタリストとしてライブに参加しています。
リアーナが生み出す独特なR&Bの世界観、バラードの雰囲気など、今までのヌーノの活動にはなかった楽曲での活動ですが、
楽曲の持ち味を壊すことなく、ヌーノらしい感情的なプレイをしています。
「California King Bed」というバラードでは、ヌーノの楽曲にあるテクニカルな速弾きはせずにプレイしています。
その代わりにチョーキングやビブラートでギターを歌わせるすばらしいギターソロを弾いています。
また、ステージ上でのパフォーマンスもリアーナの派手な演出に負けないほどの激しいステージングをしていて、
リアーナに負けず劣らずの存在感を出しています。
リアーナは商業的にも大成功を収めていて、21世紀最大の歌姫とも呼ばれています。
そのようなシンガーのツアーに参加しているヌーノはもはや20世紀を代表するギタリストのひとりであると言うことができるでしょう。

なんとジャニーズ事務所の嵐の楽曲にもヌーノは参加しています。
「ランナウェイトレイン」という曲で参加していて、さらにベースはミスタービッグのビリーシーンという豪華なハードロッカーメンバーが参加しています。
歌がメインのJ-POPのため、メロやサビでは普段より控えめなギターを弾いていますが、ギターソロではヌーノ節が炸裂しています。
ギターソロに入る前のフレーズや複数弦にまたがるタッピングフレーズなど、普段のヌーノスタイルを見事にジャニーズの楽曲に合わせています。

個人的にオススメしたいヌーノのアルバム

Pornograffitti

ヌーノが参加しているアルバムで一番オススメしたいのが、エクストリーム時代の2ndアルバム「Pornograffitti」です。
1stアルバムよりもエクストリームというバンドのらしさが出ていて彼らの代名詞でもある「ファンク・メタル」という言葉がぴったりなアルバムです。「Decsdence Dance」や「Get the Funk Out」、「Pornograffitti」などのキャッチーでノリノリな曲や「More Than Words」のようなアコースティックナンバー、さらにはヌーノがピアノを演奏している「When I First Kissed You」というメロウでアーバンな曲も入っていて聞き応えのあるアルバムです。
このアルバムに関してヌーノは
「今回のアルバムは僕たちそのもので、このアルバムを気に入らなければ僕たちのことを気に入らないだろう。」
と答えています。
多彩な曲が入っていてメタルバンドとは思えない仕上がりになっていますが、この多彩さがエクストリームであり、ヌーノ・ベッテンコートだと言うことができます。
また、このアルバムはジャケットに描いてあるフランシスという男の子の人生を歌ったコンセプトアルバムになっています。
あまり良くない環境で育った男の子の人生を歌っているため、様々な要素が入り組んだアルバムになったのではないかとも思います。

ヌーノベッテンコートの現在は?

ヌーノは現在、多くのギターヒーロー達と共演をしています。
ブライアン・メイ、スティーヴ・ヴァイ、イングウェイ・マルムスティーン、ザック・ワイルド、トーシン・アバシとリモートセッションでクイーンの名曲「Bohemian Rhapsody」を演奏したり、
上記のブライアン・メイ以外のメンバーでライブをする「ジェネレーション・アックス」という企画にも参加しています。
また、エクストリームは一度解散し、2005年に再結成をしました。
2016年には来日をしていますが、それ以降は特に動きがないようです。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる